第103夜 Outrecuidant

まったりフルーティーな期間限定謎ウード

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DATA

Name: Outrecuidant(オートルキュイダン)
Brand: Histoires de Parfums
Launched in 2017
Perfumer: Fanny Bal / Julien Rasquinet
15ml ¥6,600

My Episode

これもまた、肌に載せたとたん、独特の甘さが広がる。
つまり、イストワール・ドゥ・パルファンのウード系の香水はいずれも甘いウードということになる。
そして、この「オートルキュイダン」の甘さは非常にフルーティー
ただ、じゃあ、ジューシーかというと、そういうわけではないような気がする。まったくみずみずしさは感じられないのだ。
もっとクリーミーな甘さ。まったりしたフルーツというか。
それはひょっとしたらウードのせいなのかもしれない。
これを良しとするか、それとも落第点をつけるかは、人によって異なってくるだろう。
ぼくがこの香りを試したのはまだ肌寒い時期だったので、この甘さは非常に心地よく感じられた。温かみがあるから。
ただ、今のこの湿度の高い時期につけると、ベタベタした印象がある。
例えば、暑い時期に果汁100%のジュースを飲むと、余計に喉が渇いて、水分が欲しくなることがままあるが、まさにそんな感じなのだ。
清涼感とは無縁のフルーティーウードという感じか。
そこがこの香りの欠点かもしれないけど、でももちろん、ぼくはそんなに悪い感じはしないので、季節を選んで使いたい。

NOTES

|| Showing great self-confidence. - Grapefruit, Cassis, Pineapple -
|| Obvious, unmistakable pride. - Saffron, Cardamom, Orange Blossom -
|| An impertinent and insouciant personality, daring. - Cedar, Sandalwood, Patchouli, Leather, Labdanum-Ciste –

さて、ここで問題が生じる。
実はこの香料の記載の中には「Oud」は含まれていない。
ところが、公式サイトの詳細の説明文の最後に次の一文が出てくる。

In the end, Oud, who is roused by Patchouli, also accepts his arrogance.
(最後にパチュリに目覚めたウードもその傲慢さを受け入れる。)

日本語の公式サイトでは
「 そして最後に、パチョリによって引き立てられたウードが一連の傲慢さを許容するように全体を纏め上げていきます。」と訳されている。


これは一体どういうことなんだろうか?
ウードらしさ全開だし、全体をまとめ上げているとなっているのに、香料の中にはウードは入っていないのだ。
でも、この説明文によれば、もろウードなので、一応ぼくはこの香りにもウードの要素が入っているということで、この香りもウードのカテゴリーに入れておく。

ところで、昨日、FRAGRANTICAの記載が間違っていることを書いたが、なんと、どうやらFRAGRANTICAの詳細が「Prolixe」と「Outrecuidant」が入れ替わっているらしいのだ。カシスやパイナップルが入っているのはこちらの「Outrecuidant」の方であるので、詳細を調べたい方は気を付けた方が良いだろう。


My Evalution

★★★

この香り、正直やはり湿度の高い時期にはかなりきつい。湿度が一層増すという感じで、湿度が苦手なぼくには少し纏っただけで鼻が拒絶してしまう。というわけで、この香りは冬季限定香水になりそうだ。