第129夜 Fan Your Flames

情熱的な夏の香りはいかが?

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DATA

Name:Fan Your Flames(ファンユアフレームズ)
Brand:Nishane
Lauched in 2016
Perfumer:Unknown
50ml ¥26,400

My Episode

非常に珍しいトルコのフレグランスブランド。
この香りを知ったのは、昨年の7月7日のこと。
ぼくはここ数年、毎年七夕の日に何か特別なものをお迎えするようにしている。
数年前はアウロラというブランドの万年筆、マーレ・アドリアを購入したし、iQOSを購入するために原宿のショップに並んだのも数年前の七夕のことだった。
そして、去年は何となく香水が欲しくなり、銀座のNOSE SHOPに遊びに行ったのだ。
そこで出会ったのがニシャネだった。
他のブランドとは違うボトルデザインが非常に印象的で、前から気にはなっていたのだが、実際に試すのはその時が初めてだった。
実はニシャネからひとつウード系の香りが出ているのだが、それがなんとノーズショップで一番高額な香水で、それはさすがに購入できなかったのだが、トルコの香水というのが珍しくて、いろいろと試してみた。
そこで出会ったのがこの「ファンユアフレームズ」だった。まず名前に惹かれた。「情熱を燃やせ」という名前。
それだけで、なんかこうがんばれそうな気になるじゃないか。
ぼくはちょうどその時、インクの本を作り終え、その反動でぽっかりと心に穴が開いていた。
次の目標も定まらず、さらにコロナのこともあり環境が大きく変わり、疲れていたというのもある。
そんな自分にカツを入れてくれるのがこの香りなんじゃないかって思えたのだ。
香りの構成も面白く、ココナッツの甘さにタバコのスモーキーさが加わっていて、実に複雑なのである。
元々ぼくはココナッツが好きで、ココナッツ系の香りは今までにも例えばノービレの「トンボのダンス」を好んで使っている。

しかし、そのココナッツとはまた別の香りを感じるのである。「トンボのダンス」は非常に明るくて、夏の昼間の日差しを感じる香りだが、この香りは同じココナッツを使いながらも陰がある。
ノーズショップの説明には次のように書かれている。

「情熱の火を燃やせ。その火を共に扇ぐ同志を見つけよ」。ココナッツ片手に水タバコをくゆらせ、仲間と明け方まで語らう濃密な時間。やがて来る日の出に向け、これは人生を祝福する香り。

明らかにこれは夜の香りだ。
その雰囲気がタバコのスモーキーさやベースノートのシダーウッドやオークモスによって表現されている。
夏の夜、特別な誰かと過ごす時につけたい香り。

NOTES

Top notes:Coconut, Rum
Middle notes:Tobacco, Tonka Bean
Base notes:Chinese Cedar, Oakmoss

この香りはぼくにとっては「夏の暑さを味方につける香り」である。暑ければ暑いほど、湿度が高ければ高いほど、この香りはきれいに香りたつ。熱帯夜、外を歩きながら、楽しみたい。

My Evalution

★★★

とはいうものの、やはりぼくの好みのメインストリートにはない香りなので、必然的に評価は下がるが、決して嫌いというわけではないので、念のためにここに記しておく。