第221夜 Nefs

煌びやか、華やか、甘やかなウード

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DATA

Name:Nefs (ネフス)
Brand:NISHANE(ニシャネ)
Lauched in 2019
Perfumer:  Chris Maurice
50ml ¥71,500

My Episode

香水を買う時は、タイミングと勢いというものが必要になる。
だって、ニンジンや卵を買うのとは訳が違う。
ぼくは香水というのは、単なる香り付きの水ではないので、購入する時のシチュエーションや自分の中の想いというのは非常に大切にしている。

例えば、接客がぼくの好みではなかったりしたら、よっぽどのことがない限り買おうとは思わない。(エルメスの「アガールエベンヌ」を長年買えていないのは、日本のエルメスの店舗にぼくの欲求を満たしてくれるセールストークをしてくれる人が一人もいないからだと思っている)
欲しいと思った香水も、タイミングが合わなければ買う気になれない。

実は今回ご紹介する「ネフス」はまさにそんな香りだ。
この香りを初めて試したのは、ぼくが初めてNOSE SHOPの銀座店に行った時のことだから、2020年の6月のこと。
その時の店長さんがウード系の香水がお好きな方で、彼女と初対面なのに大盛り上がりをして、店内のいろんなウードを試したのだが、その中の一本がこの「Nefs」だった。
金色のメロンの皮?って思わせるようなゴージャスなボトルから香った香りはもう、とろけるような極上の香りだった。
アンバー系のスモーキーな甘さとハチミツの甘さをウードがしっかりとベースで支えているのがわかる。
四方八方ゴージャスという印象がこの香りにはあるのだ。
なんてったって、NOSE SHPのサイトでは「魂の欲望」という副題がついているくらいだからね、それだけゴージャスなわけだ。
ところが、ここまでゴージャスだと翳りが見えないんじゃないかと思われがちなのだが、あまりにもゴージャスすぎて、逆に「闇が深いんじゃね?」的な疑惑を持ってしまうほどなのだ。
肌に載せて時間が経つと、少しカラメルを焦がしたような香りが鼻先をかすめるのだが、そこにぼくはものすごい影を感じて、そのギャップにぼくの鼻はわしづかみにされた。

だが、ゴージャスなのは香りだけではない。値段も実にゴージャス!(笑)

初めてぼくがNOSE SHOPの銀座店に行った時のNOSE SHOP全店の中で最も高価な香水がこの「ネフス」だったのである。

だから、ぼくは非常に躊躇した。
そして、思ったのだ。
何かの記念に買うことにしようと。

しかし、その記念の日はなかなか訪れなかった。
他の香水はたくさんお迎えしていたのに(それこそこのNefsが買える以上の香水を買っていた)、「ネフス」だけはずっと後回しになっていた。

2021年の誕生日の時も、2冊目の本を出版した時も、3冊目の本が出た時も、ぼくはなぜか「ネフス」を手に入れることはしなかった。
そのたびごとに必ず試すし、肌の上にも載せるのだが、どうしても「買います」というわけにはならなかったのである。

だが、2021年の年末、昨日ご紹介した同じニシャネの「カラギョズ」を購入した時に決意をしたのである。

2021年を締めくくるのがニシャネだったら、2022年の幕開けもニシャネでいいんじゃないかと。そして、1月2日はぼくの誕生日でもある。そこで、54回目の誕生日+2022年の幕開け香水として「ネフス」をお迎えすることを決意したんである。

もうね、本当にこれは大正解。
いろんな要素がこの一本に詰まっているし、香りそのものがゴージャス。こんなに贅沢で華やかな香り(しかも安っぽくない)なんて他にないんじゃないかって思っている。

これは自分の54歳の1年を彩ってくれる香りになると確信している。

NOTES

Top notes:Honey, Saffron, Fig, Violet, Sage
Middle notes:Rose, Osmanthus, Nutmeg, Jasmine, Geranium
Base notes:Agarwood (Oud), Whiskey, Vanilla, Gurjan balsam, Leather, Amber, Cinnamon, Cedar

ハチミツ、サフランナツメグ、ウード、ヴァニラ、レザー、アンバー、シナモン、シダー…ぼくの大好きな香料がこんなにいっぱい入ってる!やっぱりこれはぼくにとって特別な香水なんだっていうことがわかる。

My Evalution

★★★★★

文句なしの満点。はぁ、本当にこれは素晴らしい香り。なかなかこの香りの良さを伝える言葉が見つからないほど。