第226夜 Ambre Nomade

華やかで美しいアンバーの香り

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DATA

Name:Ambre Nomade (アンバーノマド|オリエントへの驚きの旅)
Brand:Elisire(エリザイア)
Lauched in 2015
Perfumer:  Pierre Negrin, Franck Salzwedel
30ml ¥20,900

My Episode

香料の中でぼくが最も愛しているのはウードなのだが、その次に好きな香料は何?と聞かれたら迷ってしまう。土のような深みのあるパチョリも好きだし、ちょっと甘めスパイシーなシナモンも捨てがたいし。バニラとかハニーといったグルマン系の香りも良い。
しかし、やっぱり次点となるとアンバーになるかなと思う。
ぼくにとってのアンバーの印象はスモーキースウィートである。甘さの中に煙っぽさを感じるのがアンバーのイメージ。
なので、アンバーという名前が入った香水は、その名前だけで鼻腔が1㎜ほど開くんである。
昨日もご紹介したエリザイアというブランドは、NOSE SHOPの新入荷ブランドのお知らせで知り、いつものごとく、ウード系の香水があるのを確認していたので、その香水だけは欲しいと思っていたのだが、店頭に行った時に、せっかくなのだから…と他の香水も試してみた。
その中でぼくがもっとも惹かれたのがこの「アンブルノマド」だった。
名前に「アンブル」と入っていたのだが、「デザイアード」の方に気を取られていて、すっかり失念していた。
まずはフラスコで試し、ムエットでも試したのであるが、とにかく華やかな香りなんである。もうね、本当にキラキラしている。香りにラメが入っていたら、絶対にこんな感じ!というくらいの華やかさ。そして甘くて、スモーキーなところはしっかりとアンバー系だ。
でも、そのキラキラ感というのは、決して太陽に照らされてのキラキラではない。
逆に夜の闇の中で自ら光り輝く月のような華やかさだ。
だから、印象的には夜の印象。
艶めかしさというのはあまり感じられないけれども、でも、夜の華やかさは演出できるだろう。例えば、女性だったら背中の開いたドレスの隙間からこの香りが漂ってきたら、きっと彼女のオーラ全体にラメが散りばめられたような印象を人に与えるかもしれない。
ともすると、そういう香りって、安っぽい香りになりがちなんだけど、これは違う。
華やかなだけじゃなくて、どこかアニマリックな印象もある。
香料を見ると、それほどアニマリックじゃないのが、実に不思議なのだが。
さて、この香りを初めて試した時、ぼくは非常に迷った。
なぜなら、デザイアードよりも、こっちのアンブルノマドの方が印象が良かったから。
でも、ウードよりも先にアンバーを買うというのが、自分の中でなんだか許せなかった。
その「許せない」の理由が自分でもさっぱりわからないのだが。
だから、どうせお迎えするなら、両方いっぺんにお迎えすることだよな。と思っていた。
でも、お値段がお値段なので「じゃぁ、両方ちょうだい!」などと軽々しくその時は言えなかったので、とりあえずいったん保留ということになった。
そして、その数週間後、再び訪れた時に、ぼくは意を決して、両方購入したんだった。
そこでまた悩みが。
サイズをどうするか。この香水は30mlと50mlの両方が用意されているのだが、ボトルのデザインが異なるのだ。50mlの方がキャップがクリスタルカットだし、オレンジ色のリボンが首の部分についている。でも、だからといって、他にもいろんな香水を持っているから50mlはいらないかなという気もした。
同行した友人に相談したところ、もう一方の「デザイアード」は30mlしかないんだから、お揃いで買うのであれば、同じ形、同じデザインの30mlの方が良いのでは?というアドバイスをもらった。
そして、ぼくは結局30mlの「アンバーノマド」の購入を決意したというわけなのだ。


NOTES

Top notes:Apricot, Ginger, Lavender, Rosemary, Sage, Apple
Middle notes:Cedar, Labdanum, Madagascar Ylang-Ylang
Base notes:Patchouli, Olibanum, Vanilla, Musk

肌に載せた瞬間から始まる華やかな香りは、だが、実はそんなにいつまでも持続しない。断続的に、そこにアロマティックな香りが加わるのは、恐らくアップルとかラヴェンダーのせいだろう。だが、落ち着いてくると、今度は甘みと煙たさが交互に再び華やかさを伴ってやってくる。実に香りの表情が変わる香水だと思った。

My Evalution

★★★★★

これもまた五つ星。こういう外に向かった華やかな香りは気分を高めてくれるし、さらにそれだけではなく、落ち着きもあるから、安心して身をゆだねることができる、そんな感じがするのだ。