第256夜 Bois d'Armenie

傷ついた心を癒してくれる深い香り

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DATA

Name:Bois d'Armenie(ボワ・ダルメニ)
Brand:Guerlain
Lauched in 2006
Perfumer: Annick Menardo
100ml ¥46,200

My Episode

「ボワ・ダルメニ」のことを知ったのはいつの頃だろう。
恐らく、昨年、数人の香水フリークの人たちと一緒に帝国ホテルのゲランブティック、通称ゲラン帝国を訪れた時だったと思う。
その時はぼくにとっては二度目のゲラン帝国で、あまりの楽しさにテンションが高まる中、次々と香りを試し、気に入った香水をピックアップしていき、この「ボワ・ダルメニ」も候補に入っていた。
その時は「ドゥーブル・バニーユ」を選んだのだが、いつか必ず「ボワ・ダルメニ」を買おう!と心に決めていた。
しかし、その後、このシリーズのボトルがリニューアルされ、何度もゲラン帝国には足を運びながらも、なかなか「ボワ・ダルメニ」を買う機会に恵まれなかった。
特に理由はなくて、ただ単にたまたま「その気分じゃなかった」というだけなのだが、ついにその「ボワ・ダルメニ」を購入する機会が訪れた。
数日前、このゲラン帝国が閉店するというショッキングなニュースが流れてきたのだ。大好きな空間だったし、スタッフの皆様もとても気持ちよく迎えてくださったので、都内からこういう場所がなくなるというのは本当に悲しい。
そんな中、そのゲラン帝国で最後の買い物をすべく、先日一人で訪れた。
そして、ついにこの香りをお迎えすることになったのである。
最初にこの香りを試した時、深くて煙たい香りに癒しを感じたのだが、再度試してみると、濃厚なバニラの甘さも感じられた。調べてみたら、この香りはベンゾインを燃やしてお香の煙の渦を作るアルメニアの伝統にインスパイアされて作られたのだとか。調べてみたら、このアルメニアンペーパーは日本でもサンタ・マリアノ・ヴェッラのものが有名で購入できるので、今度試してみたいと思っている。
閑話休題
このゲランの「ボワ・ダルメニ」は、癒しの効果もあるということをゲランのスタッフから聞いたことがあるのだが、それは、恐らくインセンスの香りがその効果に繋がるのであろう。最近、色々なことが立て続けに起こり、精神的に少し参っているところがあるのだが、そんな時にこういう香りを纏うというのは非常に良いなと思っているので、これからもこの香りにはお世話になることになるだろう。
ゲラン帝国最後の思い出に、名前と日付を刻印してもらった。

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NOTES

Top notes:Incense, Iris, Pink Pepper
Middle notes:Benzoin, Guaiac Wood, Coriander
Base notes:Copahu Balm, Patchouli, White Musk

Copahu Balmとは、コパイバのことで、南米由来の樹木の樹脂と精油を混ぜたもののよう。殺菌力などもあり、治療薬としても使われている。

My Evalution

★★★★★
香りの系統としては、「ドゥーブル・ヴァニーユ」と似ているので、恐らくぼくは、なかなかこの香水を選ばなかったと思うのだが、こちらの方がスモーキーという意味ではとても強いので、それぞれきちんと使い分けていきたいと思っている。
ちなみに、調香師のAnnick Menardoは、ルラボのパチョリやディオールのヒプノティックポワゾン、ブルガリのブラックを作った人。いずれもぼくの大好きな香りなので、彼女の作る香りにもこれから注鼻していきたい。