第340夜 Oud Khôl

メタリックウードと仲良くなるには?

 

DATA

Name: Oud Khôl(ウードコール)
Brand:Guerlain(ゲラン)
Lauched in 2022
Perfumer:Thierry Wasser
100ml ¥46,200 

My Episode

今年はウードの当たり年だと思う。
近年まれに見るウード系香水の発売ラッシュだった気がする。
ジバンシィを皮切りに、ゲラン、フエギアが次々とウード系の香水を発表し、カルティエのウード系4種類も上陸(うち3種類はもともと扱いはあったが)。鼻毛の毛根までもウードまみれのぼくは狂喜乱舞、阿鼻叫喚な日々を過ごすことになった。
ウードとひとことで言っても、調香師、あるいはブランドによってその捉え方は様々で、ウードの香りがしっかり感じられるものから、それほどウードらしさは感じられないものまで、実に様々である。
そこがウードの面白いところ。
元々ウードというのは、重い香りなのでベースに使われることが多い。だから、どうしても花形にはなりにくい香りなのだ。
ただ、あまりにも癖が強いために、鼻に残ることから、ウードを主軸とした香りが作られるようになったのだとぼくは思っている。
そんな中、10月に開催されたサロンドパルファン前後にゲランからウードの名前のつく香水が3種類発売された。
「ウード ヌード」、「チェリー ウード」についてはすでにこのブログでもレビューを書いたが、その後、サロンド・パルファン先行発売で「ウード コール」が発売されたのだ。
なお、この「ウード コール」の正式発売は2023年の1月2日とのこと。
さて、「ウード コール」だが、発売前、以前帝国ホテルのゲランでコンサルをしてくださり、ぼくの香りの好みを熟知しているベテランスタッフの方から「今度のウードは武田さまのお気に入りになると思いますよ」と言われて、すごく期待していたんである。
だが、その期待が大きすぎたのか、実際に試してみたら、そんなに刺さらなかったのだ。
「ウード コール」を最初に試した時に感じたのはメタリックな香りだった。そのメタリックな香りがどうしても受け入れられなかったのである。おそらくこれはアルデヒドのにおいなのだろう。なんか、こう、冷たいような雰囲気があって、鼻についてしまう。
そして、そのアルデヒドの香りだけが鼻に残り、他の要素をまったく感じられなくなってしまったんである。
でも、ゲランのウードだから、仲良くなりたい気持ちはあり、購入した後も、何度も、何度も肌に載せた。
そうしたら、やっと少しだけ距離が縮まった。
もちろん、メタリックな印象は相変わらずなのだが、メタリックの奥にひっそりと潜んでいるレザーの香りを感じ取れるようになったのだ。
それでも、やっぱりまだ全面的に受け入れられていないので、これからもう少し仲良くなる努力が必要だと思っている。

NOTES

Agarwood(Oud), Aldehydes, Leather, Moss, Praline

ぼくがなんでこの香りが苦手なのかというと、甘さがゼロだから、まったく甘さを感じない。ここまで甘さを感じない香りも珍しいのではないか?と思っているほど。
一応要素としてはPralineあたりの甘さが期待できそうだが、まだ花の中の鼻毛がそこまでの甘さを探り当てていない。いつになったらその甘さを感じられるようになるのだろうか?

My Evalution

★★★

あまりにも苦手な香りので、普段はあまりやらない重ね付けをしたいなと思っている。ゲランのウード系(「サンタル パオロサ」や前述の2種類のウード)の香水と重ねたら良いかもしれない。あるいは甘さを付け足す意味で「ドゥーブルバニーユ」とか。