第341夜 Un Oud

乾いたウードの優しさ

 

DATA

Name: Un Oud(アンウードル)
Brand:Obvious(オブヴィアス)
Lauched in 2022
Perfumer:unknown
100ml ¥17,600

My Episode

今年はウードの当たり年だという話をしたが、サロンド・パルファンでも多くのウード系の香水が発売された。
フエギアとゲランは知っていたのだが、他のブランドでもウード系の香水が何本も出ていて、正直びっくりしてしまったのだ。
まるで武田を狙い撃ちしているんじゃないの?示し合わせてるんじゃないの?と疑ってしまったほど。
そのうちの一本がオブヴィアスのウードだ。
元々オブヴィアスに関しては日本に上陸した時から注目していた。
お値段の割には、質の良い、そして心地の良い香水を作っているし、パッケージもシンプルでおしゃれ。そんなところにも好感が持てた。
そんなオブヴィアスから、やっとウードが出るという話を代理店の方に聞いた時、ぼくの鼻腔が鳥肌が立った。
オブヴィアスは、パチョリの香りでぼくに悲鳴を上げさせたブランドだ。そこがどんなウードでぼくを驚かせてくれるのだろうか?と鼻の穴が2倍ほど膨らんだまま、伊勢丹メンズ館に向かったんである。
ところが、意外にも優しい香りでびっくりした。
本館でのサロンド・パルファンで強烈な香りを試し過ぎたので、メンズ館で試したウードは優しく感じたのかもしれないと思うほどだった。
しかし、何度試しても優しい印象は変わらない。
そして、さらにこれってウードっていうよりも、ベチバーの方が強くない?という気にもなったのだ。
ベチバーは前にも書いたかもしれないが、苦手なベチバーと受け入れられるベチバーの2種類がある。どうやら産地によって香りがガラッと変わるらしいのだが、ハイチ産のベチバーはぼくの好みの乾いたベチバーのようで、この「Un Oud」もその感想感がしっかりと鼻腔をくすぐるのだ。
そして、その他にレザーの香りがしたり、ベルガモットやピンクペッパーの華やかな香りがしたりして、ウードはその後ろでひっそりと佇んでいるという感じだろうか。
でも、その奥ゆかしさがまたオブヴィアスらしい感じで、これはこれで良いかなと思った。

NOTES

Top notes:Cardamon, Bergamot, Pink Pepper
Middle notes:Agarwood(Oud),Papyrus,Sage, Elemi, Resin
Base notes:Virginia Cedar,Haitian Vetiver, Saffron,Leather

トップの爽やかな印象は5分ほどでミドルの静けさに変化する。その変わり方が面白い。そして余韻として優しい木の香りが残る。これはウードが苦手だという人に試して欲しい。あと、ベチバー好きな人にもお勧めしたい。

My Evalution

★★★★

ウード好きにはちょっと物足りない。でも鼻休めウードとしては使えると思う。