第271夜 Wood and Spices 

メタリックなウードは柔らかに変化

 

DATA

Name:Wood and Spices(ウッドアイドスパイス)
Brand:Montale(モンタル)
Lauched in 2005
Perfumer: Pierre Montale
50ml ¥11,000

My Episode

モンタルはウード系の香水をバンバン出しているフランスのブランドで、そのおかげで、ぼくも結構ここのブランドの香水は持っている方。
しかし、たくさん出せば良いというわけではなく、やっぱりどうしてもその中でも自分の中で優劣はつけてしまうのは仕方ない。
むしろ、数が多ければ多いほど、鼻のハードルは自然と上がってしまうので、ウード出せば良いだろう?的になってしまうと、ぼくの鼻はつむじを曲げてしまうのである。
逆にウード系の香水をたくさんあると、どうしても厳しい評価を出さざるを得なくなるという側面もある。
モンタルは確かにウードの香りが多くて、そこが魅力なのではあるが、だからといって、好きなブランドか?と聞かれると非常に微妙な返事をしてしまうのである。
ただ、やはりこれだけのウードを香りを出しているのはユニークだと思うし、いろんなウードを試したいと思っているぼくには非常に魅力的なので、これからもきっとモンタルの香水は集め続けることになると思う。
さて、今回ご紹介する「ウッドアンドスパイス」はムエットに載せた時と肌に載せた時では印象がまったく異なる香水だ。
ムエットに載せた時は、なぜかぼくはものすごくメタリックな印象を受けた。冷たい感じがするのだ。しばらくするとそのメタリック感は薄まるのだが、そのメタリック感の要因が今一つ香りの成分を見てもわからない。
恐らく、様々な要素が絡み合って、ぼくの鼻がそう感じるのであろう。
ところが、肌に載せてみると、その印象はがらりと変わる。一瞬メタリックな香りはするのだが、それはすぐになりを潜め、柔らかいパウダリーな香りに変化する。
恐らく、ぼくがメタリックと感じるのは、スパイスの部分なのだと思う。前にも何かの香水の時に書いたと思うのだが、ぼくにとっての香水におけるスパイスというのは、クローブやシナモンといった、ちょっと甘さを伴ったスパイスのこと。それ以外のスパイスはどうしてもツンツンとしたメタリックに感じてしまうらしい。
ただ、肌の上に載せると、少し柔らかくなるこの「ウッドアンドスパイス」はそれほどつんつん感はないので、まだ許容範囲かなという気がする。

NOTES

Sandalwood, Incense, Agarwood(Oud), Vetiver

サンダルウッドやベチバーの香りって、グリーンな印象があるのだが、この香水にはそういうグリーンの要素はあまりない。だからぼくの鼻はまだ受け入れられるのかもしれない。

My Evalution

★★★
受け入れられるとはいっても、じゃあ、この香りをどんなシチュエーションで纏うか?と問われると、ちょっと戸惑ってしまう。敢えて外につけていく気はしないし、かといって家でつける感じでもないし。こういう香水、本当にたくさんあるんだけど、どうやって消費しましょ?って思っている。