第294夜 Stercus
糞という名前からは想像つかない大人渋い香り
DATA
Name:Stercus
Brand:Orto Parisi
Lauched in 2014
Perfumer: Alessandro Gualtieri
50ml ¥27,500
My Episode
この世の中には、摩訶不思議な名前の香水が存在する。その代表的なのが、オランダのブランド、Orto Parisi(オルトパリージ)だろう。
今日ご紹介するこの香水なんて「糞」だぜ。
名前からはどんな香りなのかまったく想像つかない。だって、糞という名前からイメージする香りは決して人間が好むような香りではないはずだから。
まぁ、でもその臭さが病みつきになるという人も中にはいるのかもしれないが。
そして、そういうつもりで試してみると、これがまた不思議なことに「これのどこが糞なのよ?」と鼻毛が鼻腔の中で首をかしげてしまうのだ。
このブランドは、昨日ご紹介したBlack Afganoを作ったAlessandro Gualtieriが設立したブランドで、彼が幼少の頃に祖父と共に過ごしたイタリアの菜園にインスピレーションを得ているのだとか。
それにしても、「糞」ってなんだよ!と思うのだが、わざわざその名前を付けるということは、それなりの意味があるようで、そのあたりのことはNOSE SHOPのブランド説明の部分で書かれているので気になる方はぜひ!
NOTES
Top notes:Aldehyde, Almond, Anise
Middle notes:Rose
Base notes:Agarwood (Oud), Cedar, Heliotropine, Leather, Musk, Vanilla
FRAGRANTICAでは香料が明かされていないので、色々と調べたところ、下記のURLを見つけた。
それによると、この香水にもウードが入っているではないか!やっぱりぼくの鼻はこういう香りを敏感にキャッチするんだよな。
そして、これもまた不思議な重さのある香り。あまりいろんな人に理解されようという気はないらしい。まぁ、なんてったって「糞」だからね。
ただ、その名前に興味を持ってこの香りを嗅いだら、そのギャップに驚くかもしれない。
癖はあるけど、臭くはないから。
落ち着いてくると、レザーの独特のアニマル臭のようなものがかすかに感じられる。
前述のBlack Afganoと比較すると甘さは控えめで、ヴァニラの甘さは他の香りの影に隠れてしまっているので、甘い香りが好きな人には物足りないかも。
My Evalution
★★★★
糞というタイトルさえ克服すれば、好きな人は好きだろう。ただ、重い香りとか変な香りがダメという人にはまったく響かないかもしれない。ツウ好みの香り。
そうそう!このブランドは箱がなかなかユニークなので、見て欲しい。蓋を開けると、箱が一体型になっていて。中央部分のキャップがしっかりと固定されているのだ。