第308夜 Oud & Spice

スパイシーでレザリーなウードの香り

 

DATA

Name:Oud & Spice (ウード&スパイス)
Brand:Acqua di Parma (アクアディパルマ
Lauched in 2021
Perfumer: unknown
20ml ¥17,600

My Episode

ウード好きのぼくでも苦手なウードというのがある。
一つは、薔薇とウードとサフランというありがちなウード。サフランがまるで山椒のように香るし、いろんなブランドが同じようなブレンドで作っているから新鮮味がなく、ぼくの鼻腔はちっとも喜ばないのである。
もう一つは、グリーンのえぐみが出るようなウード。サンダルウッドと一緒にブレンドされることが多いのだが、どうしてもこのグリーンがぼくの鼻毛を通過しないのである。冬の空気が乾燥している寒い時期だったら美しく感じられることもあるのだが、そうなるとつける期間も限られてきてしまい、どうしても敬遠してしまう。
アクアディパルマのウードもそういう、サンダルウッドのクリーミーさが前面に出てくるような香りだった。
しかし、この「ウード&スパイス」は、同じウード系香水でもまったくアプローチが違っており、ぼくの鼻腔はすっかり大満足したのだ。
サンダルウッドのグリーンはまったく感じられず、しっかりとクローブピリ辛が前面に出ている。吹きたてはちょっとジューシーな雰囲気もあるのだが、ものの5分もしないうちにピリッとした感じがして、それが本当に気持ちよい。
ウードもその奥にいるし、パチョリもしっかりとそれらの香辛料を支えている。これが、辛いだけだったら物足りなさを感じたかもしれないが、シナモンやラブダナムの甘さなどもほんのりと隠れていて、そういう複雑性がまた良いのである。
そして、レザーはNOTESに入っていないが、そういった乾いた辛さがレザーを思い起こさせ、この香りは非常にかっこよく仕上がっている。
フェミニンな香りが苦手な人にはぜひ試して欲しい香りだ。
これはベタベタしていなくて、むしろウードにしては乾燥しているから、夏の熱い時期でも纏える香りなのではないかと思う。

NOTES

Top notes:Raspberry, Rose, Bergamot
Middle notes:Cloves, Pink Pepper, Cinnamon
Base notes:Agarwood (Oud), Labdanum, Patchouli

アクアディパルマのウードがどうしても受け入れられなかったから、この「ウードアンドスパイス」もちょっと構えていたのだが、思いの他良くて、アクアディパルマ、やるじゃん!って思った。
明日から始まる伊勢丹新宿店でのサロンドパルファンでアクアディパルマも出店するようなので、ぜひこの二種類のウードの違いを試して欲しい。本当にこんなにも違うのか!と驚くことだろう。そして、どちらが好みなのか教えて欲しい。
ちなみに、ウードが苦手な友人は「ウード」の方が好きだと言っていたので、ウードになれてない人はスパイスよりもウードの方が良いかもしれない。

My Evalution

★★★★

星5をつけられなかったのは、ちょっと甘さが控えめ過ぎているから。かっこいい香りだし、この香水が作り出す世界のようなものがとても大好きなのだが、甘さをほんの少しだけ足してくれれば満点だったのに…。と思う。
ウードってなるとどうしても辛口評価になってしまうのは仕方ないよね。