第361夜 black cumaru

まったりとした甘い香り

 

DATA

Name:black cumaru
Brand:KOHSHI
Lauched in 2022
Perfumer:Matsuno Hidenori(松野 秀至)
50ml ¥18,700

My Episode

2022年のサロンドパルファンは、特別に前日の内覧会から参加することができた。事前情報はある程度調べておいたものの、実際に行ってみないとわからない部分もあるので、ほとんど前知識を持たないまま当日を迎えた。
そうしたら、もう、初日から、ぼくの鼻はスパークリングしまくっていた。知らないブランドもいくつかあったし、それらはどれも楽しいし!
その中でぼくが一番感動したのが、KOHSHIさんだ。
日本人調香師が手掛ける新しいブランドというのもさることながら、とにかく種類が多い。その時で51種類の香水が並べられていたのである。
そして、初日にブランドのスタッフにお話を伺い、いくつか試させてもらい、ぼくはもうすっかりこのブランドの虜になってしまったのだ。
とにかく香りそのものがユニークなのである。
日本のブランドというと、比較的おとなしい印象の香りが多いイメージなのだが、KOHSHIの香水はそんな先入観を捨て去るほどのインパクトのある香りが多い。
日本人離れした香りの作り方をしているのである。
もちろん、中には日本人の好きそうな香りというのもあるのだが、どれもひねりが効いている気がする。
だから、ぼくはサロンドパルファンの会期中、毎日KOHSHIさんのブースに通いつめ、調香師の松野さんがいらっしゃる時は、いろいろとお話を伺ったりしたんである。
そんな中で購入した香水を今週は取り上げていきたいと思う。
まずは、この「black cumaru」だが、トップノートからもさっさりとした独特の甘さが漂う。「cumaru」とは香水好きな人たちの間ではお馴染みのトンカのことである。
KOHSHIさんのサイトでもトンカの写真が使われている)
この香り、非常にまろやかだ。
クリーミーというか。
ぼくはこの香りをかいだ時、なんだか一瞬南国のホテルにでもいるような気持になった。
この独特の重たいまったりとした甘さがそういう気分にさせたのかもしれない。

NOTES

Top notes:Lemon, Mandarine, Eucalyptus
Middle notes:Caraway, Rose, Jasmin, Nutmeg, Blackpepper
Base notes:Tonka beans, Vanilla, Vetiver, Musk

ぼくの鼻が鈍感なのか、トップのレモンやマンダリンはあまり感じられず、最初から甘いクリーミーな香りがする。
ラストにかけて、香りが複雑に絡み合い、独特のまさに海外の香りを感じさせるのは非常にセクシーで良いと思う。

My Evalution

★★★★
実はぼくはあまりクリーミーな香りというのを好まないので(クリーミーよりももっとドライな香りが最近好きになってきた)、その点が少し気になるが、例えば夏の夜とかにぐっとセクシーな気分になりたい時に纏うと気分が上がるかもしれない。

ちなみに、ボックスを開けると、蓋の裏にメッセージが書かれているのだが、これから全部で108本の香水を作ろうとしているブランドらしいメッセージで、思わずニヤリと笑ってしまった。