第377夜 Santo Incienso, Sillage Sacré

乾いた甘い木の香り

DATA

Name: Santo Incienso, Sillage Sacré(サント インシエンソ)
Brand:The Different Company(ザ ディファレント カンパニー)
Lauched in 2017
Perfumer:Alexandra Monet
100ml ¥ 34,650 

My Episode

毎日通うことになった2022年のサロンド・パルファンでは、いろいろなコンサルテーションを受けまくった。だって無料なんだもん!という貧乏性魂に火が付いたからなのだが、普段なかなか店頭で話を聞く機会がないブランドの担当者とじっくりと香りの話をしたいという気持ちの方が強かった。
だから、とにかくできるだけ色々なブランドのコンサルテーションを受けた。
中にはそれほど興味をそそられるような話は聞けなかったブランドもあるのだが、大半のブランドでは大きな収穫もあったし、その後売り場でお会いした時に話をするきっかけも生まれ、サロパでのコンサルテーションは本当に楽しかった。
ザ・ディファレントカンパニーを扱うフォルテのコンサルテーションの担当者は男性で、しばしばインスタライブなどで新作を紹介してくれる方。彼とは何度か売り場でお会いしたこともあるし、話をしたこともあるのだが、たまたま彼のコンサルテーションの予約枠がひとつだけ空いていたので、滑り込み(最後の枠だったのだ)で予約を入れた。
しかも、それが彼がコンサルテーションを担当した3日間のうちの最終枠だったのである。
期間中毎日のように通っていたぼくは、当然のことながら彼とも何度も顔を合わせることになるのだが、「ケンさんが私のコンサルテーションの最後だなんて、緊張します。だって、ケンさん、うちの商品ほとんどお持ちでしょう?」と言われていた。
しかし、彼は自分の担当する以外のブランドのことも非常に詳しいので、そんな彼と香りについてあれこれと話がしたいと思っていたのだ。
そして、待ちに待ったコンサルテーション当日、それはそれは、本当に楽しい時間を過ごすことができた。彼自身が話し上手ということもあるのだが、ぼくの好みを改めて聞き、他のブランドの香りの話をしながらも、いろんな香りを提案してくれるのだ。そこには新しい発見も多々あった。
そして、ほとんど網羅していると思っていたザ・ディファレントカンパニーの香りの中で、その時のぼくの鼻腔にぴったりとフィットする香りを彼はさりげなく「これはどうでしょうか?」と提案してくれたのだ。それが「サント インシエンソ」である。
「木の香りやスモーキーな香りがお好きなら、こちらご存じですか?」という軽いノリで彼はこの香りをムエットに載せてくれたのだが、それをかいだとたんぼくは「ちょっと!なんで今までこの香りにぼくは気づかなかったのよ!」と彼に八つ当たりをしてしまったほど、ぼくの鼻腔が喜んだのだ。
この木の香りと、乾いた感じの香りがね、もう本当に好き!ただ単にスモーキーなだけだとぼくの鼻は喜ばないのだが、そこにじゃっかんの甘さがあると、もう至福。
メインの香りはパロサントだろう。ラテンアメリカの全住民たちが聖なる樹と呼んでいたパロサントは、香りが豊潤であることでも知られているのだが、ぼくは実はそれほど意識することはなかった。
だから、余計にこの香りを試した時に、驚いたのだ。まだまだ自分の知らない魅力的な香料というのはあるんだなと…。

NOTES

Top notes:Calabrian Bergamot, Petitgrain, Nutmeg
Middle notes:Palo Santo, Atlas Cedar, Hedione
Base notes:Incense, Vetiver, Myrrh, Guaiac Wood, Musk

インセンス、パロサント、ベチバー、これだけで、ウッディとスモーキーを構成しているようなものだ。乾いた香りなので、湿度の多い時にばしゃばしゃつけて、自分の半径5㎝の湿度を下げたいと思う。


My Evalution

★★★★★
こちらもまた静かな香りだ。癒しの香り。周囲の人たちも癒されるかもしれない。自分が香木にでもなったような気分で過ごせるかも。