第336夜 Aurore Nomade 

花と果物を合わせたオリエンタルな甘さ

 

DATA

Name: Aurore Nomade 
Brand:The Different Company
Lauched in 2012
Perfumer:Bertrand Duchaufour
日本販売終了


My Episode

好きな調香師は誰か?と聞かれたら、ぼくは2人の名前を挙げる。一人がジャン=クロード・エレナ。そして、もう一人はベルトラン・ドショフールだ。
二人はまったく違うタイプの香水を作っているが、二人ともぼくの鼻腔をしっかりとくすぐってくれる素晴らしい香りをクリエイトしてくれて、とにかくぼくはこの二人の作り出す香りが好きで好きでたまらない。
さて、今日ご紹介するのは、ベルトラン・ドショフールがディファレントカンパニーというエレナの娘であるセリーヌ・エレナが立ち上げたブランドで作った4種類の香水のうちの1本。
Auroreとは「夜明け」という意味で、Nomadeは「遊牧民、放浪者」という意味。つまりこの香りは「夜明けの放浪者」という意味になるだろう。
ディファレントカンパニーが日本に上陸した時、実はベルトランが手掛けた4種類の香水も日本に入ってはきたのだが、数量限定だったのか、それとも期間限定だったのかは定かではないが、いつの間にか店頭から消えてしまっていた。
ぼくがその4本を試したのは有楽町の阪急メンズ館で、なぜかその時のことははっきり覚えている。
4本のうち、2本がウード系の香水だったので、それを目当てに行ったのに、なぜか選んだのはウード系ではない「Aurore Nomade」だった。その2本のウードはいつか買おうと思っているうちに、いつの間にか日本では廃版となってしまい、すごく残念な思いをした。(のちにネットでなんとか手に入れることはできたものの)
でも、今思うと、なぜこの1本だけをその時選んだのかはっきり思い出せないんである。
だって、久々に腕に載せてみたら、他の二本を差し押さえてお迎えしようと思った理由が見当たらないから。
今のぼくだったらきっとこの香りをすぐに選ぶことはしないだろう。なぜなら、甘すぎるから。
なんか、ちょっとこってりとした独特の甘さがあるのだ。
それはグルマンという甘さではなく、花や果物の甘さに近い。
そこが今のぼくの鼻があまり満足しない要因のようだ。

NOTES

Top notes:Banana, Sea Notes, Carambola (Star Fruit), Rum, Nutmeg, Cinnamon, Artemisia
Middle notes:Ylang-Ylang, Cloves, Frangipani, Indole, Geranium
Base notes:Immortelle, Musk, Vanilla, Sandalwood, Amber

甘さの中に潜むエキゾチックな雰囲気は、ナツメグスターフルーツが要因かもしれない。これも唯一無二の香りと言って良いだろう。ただし、好みはかなり分かれると思う。


My Evalution

★★★

香りの好みというのは、10年もすれば変わるもんなんだなぁと改めて思った。