第367夜 vainly

大人甘いスモーキーな香り

 

DATA

Name:vainly
Brand:KOHSHI
Lauched in 2021
Perfumer:Matsuno Hidenori(松野 秀至)
50ml ¥18,700

My Episode

実際に嗅ぎ比べてみると異なる香りであることが明確にわかるのかもしれないが、肌の載せた瞬間に、昔に嗅いだことのある香りをその香りの中に感じて、「似ている!」と思ってしまう香りというのはたくさんある。
しかもその印象というのは人によって異なるので、なかなか理解されないことも多いのではあるが。
この「vainly」を肌載せした時にぼくがまっさきに思い出したのは、ブルガリのブラックである。
ぼくにとってはあの香りは本当に衝撃的で深く鼻腔に刻み込まれた香りでもあるので、余計にそういう想いを抱くのかもしれない。
以前にもご紹介したミルコブッフィーニの「OG」を試した時にも、ぼくはまっさきにブラックを思い出したのだが、今回の「vainly」も似たような印象を持った。
今回の場合は、それはトップのほんの数秒間のことだけで、すぐに違う香りが出てくるのではあるが、第一印象のスモーキーな甘さというのは、どこか共通点があるような気がする。
そして、サロンドパルファンでもこの香りは非常に人気だったように記憶している。
多くの人たちから好まれる甘さなのだ。
その甘さというのは可愛らしい甘さではなく、もっと大人っぽい。サイトを見るとビターチョコレートの写真が掲載されているのだが、まさにそんなビターな甘さを感じる。しかも、タバコの煙たさもしっかりあり、これは酸いも甘いも噛み分ける大人だからこそ似合う香りなんじゃないだろうか。でも若い人にもこういう香りはぜひ積極的につけて欲しい。ちょっと背伸びをしたい時とかにこういう香りも似合うのではないだろうか。

NOTES

Top notes:Yuzu,Bergamot,Lemon,Davana
Middle notes:Chamomile German,Jasmin,Pine needle,Rose 
Base notes:Tabac,Musk,Vanilla,Chocolate,Leather

この香りの中核をなすのは、ラストのタバックやチョコレート、レザーなのだが、トップの柚子もまたミドル、ラストにもかすかに残っていて、香りに変化をつけているように思う。

My Evalution

★★★★★
とにかく、かっこいい香り。甘くてかっこいい香りというのは、本当にぼくの肌に似合うと勝手に思っている。ぼくにとっては、自分をより引き上げてくれる、これはそんな香りなのだ。