第343夜 Hierba Nera

深い森の静かな風景

 

DATA

Name: Hierba Nera(ヒエルバ ネラ)
Brand:Coreterno(コルテルノ)
Lauched in 2019
Perfumer:Luca Maffei
100ml ¥29,480

My Episode

Twitterをやっていると、時々、知らない情報が突然入ってくることがある。
ぼくは比較的コンスタントにノーズショップなどをのぞき、ニッチフレグランスの新作をチェックするようにしているのだが、実はノーズショップや有名なお店には入ってこないようなブランドが、ひっそりとぼくの知らないお店に並んでいるということも少なくないのだ。
今日ご紹介するイタリアのブランド「コルテルノ」についても、Twitterで紹介されていたのだ。
まず、ぼくの目を惹いたのがボトルのデザイン。
だっていかにも「重い香り」っていう感じがしません?
このデザインで軽い香りだったら、絶対に看板に偽りあり、という感じになると思う。
これは絶対にぼく好みの香りなはず!と思って調べてみたら、案の定、どの香りも香料を見ただけで重いことがわかった。
さらに、調香師はぼくの大好きなルカ様ではないか!
しかも、都内だと原宿のお店で取り扱いがあるというので、早速その日に原宿のラフォーレに行き、香りを試したのである。
そうしたら、ぼくの予感は大当たり。
どの香りもしっかりと重くて、ぼく好み。
結局あまり好みではないローズの香り以外は全種類をコンプリートしてしまうほど気に入ったんである。
さて、このHierba Neraとは、直訳すると「黒いハーブ」という意味なのだが、なにやら禁断の響きがある。
肌に載せたとたんに鼻をくすぐるのは柑橘系の爽やかな香り。しかし、その奥にすでにベースとなる重い香りがいるのは瞬時にわかる。
そして、肌の体温に温められると、どんどんとその深みが増していくんである。
静かで深い森のような印象。
ただ、それも明確な緑生い茂る森というよりも、もっと幻想的な風景が見えてくる。
ちょっと夢の中の森とでもいおうか。
でも、その何とも言えないたゆたう感じがこの香りの魅力だ。
はっきりとこういう香り!と言い切れない。
ウッディな香りであることは確かだけれども、クリーミーさもある。そして、決してぼくの苦手なグリーンにはならない。そこがぼくの鼻の喜ぶ要因になっている。

NOTES

Top notes:Bergamot, Cannabis, Nutmeg
Middle notes:Iso E Super, Incense, Labdanum, Elemi, Cedar, Amber
Base notes:Atlas Cedar, Texas Cedar, Agarwood (Oud), Oakmoss

トップのベルガモットだけが爽やかな香料で、あとはすべて重い香りというのが良い。

My Evalution

★★★★
深い香りが、だんだんと少し甘さも伴ってきて、本当に心地よい、温かみのある香り。これはとても落ち着く癒し系ウードと言っても良いだろう。