第19夜 Songe d'un Bois d'Ete

深みとスパイスの魅力にあふれた香り

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DATA

Name:Songe d'un Bois d'Ete
Brand:Guerlain
Lauched in 2012
Perfumer:Thierry Wasser
日本販売終了

My Episode

ゲランというと、母が好んでまとっていたミツコを真っ先に思い出すのだが、その印象があまり強いせいか、ゲラン=おふくろの香り…という図式が頭の中にあり、ゲランの香水は気にはなるものの、なかなか手が出せないでいた。
しかし、ぼくがウードに本格的にハマり始めたころ、ある人からゲランから限定で出ているウードがとても良いという話を聞き、ぼくは帝国ホテルの中のサロンでしか扱っていないというそのウードを試しにサロンに行ってみた。
そのころのぼくは、まだそれなりに初心(うぶ)だった(と自分では思っている)ので、恐る恐るお店の中に入った。そして、スタッフの方にウードを試したい旨を伝えて、説明を受けた。
まずは、どんなウードが好きなのかということを話し、できるだけ重い香りを選んでもらうことにした。
その時日本に入ってきたのは3種類の中東向けの香水「Les Déserts d'Orient」というシリーズ。そのうち、1本はアンバー系、あとの2本はウード系だった。
1本はローズの香りが強くて、自分にはあまり合わないのではないかと思った。
そして、もう一本の方はしっかりとウードが感じられて、これがとても素晴らしかったのだ。ウードの香りがありつつも、アンバー系の甘さもあり、さらにサフランやパチュリといった、いかにもぼくが好きそうな香りがほんのりと感じられる。
そこには、当然のことながらオフクロは感じられないし、ただひたすらウードの深みが広がっていた。
そして、このウードというのは、深みだけではなくて、温かみもしっかりと感じられるウードだ。そこがぼくの気に入った。
お値段もべらぼうに高くて確か6万円ぐらいしたと思うのだが、それぐらいの値段を出しても良いと思えるほどだった。
「Songe d'un Bois d'Ete」とは、日本語に訳すと「夏の森の夢」になるのだが、夏にまとっても軽やかさもあるので、それほど違和感はないと思う。(あくまでもぼくの場合、ということは一応断っておきたいところだが)


NOTES

Agarwood(Oud), Myrrh, Saffron, Bay Leaf, Cardamon, Cedar, Patchouli, Jasmine

こちらも、FRAGRANTICAには詳しいNOTESは載っていなかったけれども、香料だけはわかったので、そちらを掲載しておく。
しばらく肌に載せていると、だんだんとレザー感も出てくるのだが、基本的にさっぱりとした、しかし深みのあるウードの印象。でも、やっぱり主役はウード。ウード好きにはたまらないのではないかと思う。これは奮発してお迎えしておいて良かったと思っている。


My Evalution

★★★★★

この香水の香りそのものもとても良いんだけど、自分にとっては初ゲランがこの「Songe d'un Bois d'Ete」で良かったと思っているし、何よりも完璧なまでの接客が素晴らしかった。ゆったりとお話をしながら商品を選ぶことができたのも、銀座サロンならでは。
何度もこれからもここで書くことになると思うが、香りというのは目に見えないだけに、イメージがとても大切で、それは接客にも表れる。今まで何度残念な接客を見てきたことか。
ちょっとした対応で買う気が失せてしまうし、スタッフの驚くまでの商品知識のなさにこちらが驚いてしまうことも多々あり、そういうスタッフの教育というのは、香水を取り扱うブランド(たとえそれが香水はメインではないDC系ブランドであったとしても)は徹底して欲しいところだ。