第24夜 Malabrigo

スモーキーでウッディーでほんのりスウィート

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DATA

Name:Malabrigo(マラブリゴ)
Brand:Fueguia 1833
Lauched in 2010
Perfumer:Julian Bedel
30ml ¥16,500

My Episode

フエギアの香水の面白いことは、Editionという考え方。
基本的にフエギアの香水は、アルゼンチンにある専用の植物園で採取される植物から作られている。一度の生産で大量の植物を使うのだが、年によって、その植物から採れる原料の香りが微妙に変化することがままあるらしい。そのために、例えば一度に400本の香水を作って、すべての原材料を使い切ってしまったら、その年のエディションはそれだけになる。
そして、翌年また植物を採取し、作られた香りは微妙にまた香りが異なるので、エディションが変わる。という考え方だ。これは天然香料を使っているからこそ起こり得ることで、そこが他の香水ブランドにはない概念で、なかなかユニーク。
で、ぼくはいくつかの香水をエディションごとに買い揃えている。「バベルの図書館」や「カオバ」もそうなのだが、この「マラブリゴ」に関しても、例外ではなく、実はこのマラブリゴが一番エディションで揃えている数が多い。
そのぐらいこの香りが好きなのだ。実は最近は「バベルの図書館」よりも出番が多いのではないか?と思ってしまうほど。
その理由は明確。
非常にかっこよくて渋い香りなのだ。
甘さがとても控えめ。
糖分ゼロというわけではないんだけど、「バベルの図書館」や「カオバ」に比べるとはるかに甘さは控えめ。
メインとなるのがウッディとスモーキー。少し乾いた感じがまたこの香りのレベルを高めている感じがする。
ぼくはタバコを吸う人間なんだけど、そのタバコの煙にも似たスモーキーさを感じる。
そしてこれを纏った時にオーラごと清められるような、そんな気持ちになるのだ。何かに包まれているかのような安心感というか。
こういう乾いた煙っぽい香りは冬にまとうと良いということで、ぼくはこの香水を買うのを冬まで待ったのだが、今は季節を問わずにまとっている。夏でも包まれたくなる香り。
しかも、香りそのものがとても乾燥しているので、湿り気を少しだけ吸い取ってくれるような感じもして、夏の湿度にも対応できるということにここ数年で気づいたのだ。
これもまた非常に好き嫌いがわかれる香りだけど、ぼくはこれからもずっと愛し続けたい香りだ。

NOTES

Tonic note: Palo Santo
Dominant note: Cabreuva
Sub Dominant: Cedarwood

パロサントは香木として有名で、ミントや檸檬といった柑橘系の香りを含んでいるものの、燃やすことで、バニラのような甘さがほんのり感じられるのだとか。このマラブリゴで感じられるこのスモーキーさは、そのパロサントとシダーウッドによるものなのかもしれない。

My Evalution

★★★★★