第30夜 Oud & Bergamot Rich Extrait

リッチな香りは深みの極み

DATA

Name: Oud & Bergamot Rich Extrait（ウード＆ベルガモット・リッチ・エキストラ）
Brand:Jo Malone
Launched in 2017
Perfumer:unknown
日本限定販売（終了）

My Episode

ニッチフレグランスの代表的なブランドの一つに「ジョーマローン」が挙げられるだろう。
香水にそんなに詳しくない人でも「ジョーマローン」という名前は知っている人は多いし、レイヤリングを楽しむブランドであるという知識を持っている人も少なくないはずだ。
しかし、残念ながら、ぼくには一つの香りを除いて、どの香りもあまりにも軽すぎてお迎えすることはなかった。
透明感よりも存在感、清涼感よりも重厚感を求めるぼくにはジョーマローンの香水たちはどれも物足りないのである。
いつかご紹介することになるとは思うが、唯一ひと鼻惚れして買った香水も結局日本では販売終了となってしまったし。
つまり、どれだけぼくが日本のトレンドの香りとは縁遠いかということ。
2019年の秋、ぼくは伊勢丹で毎年行われるサロンドパルファンという、いわゆる年に一度の香水の祭典とも呼ばれるイベントに遊びに行った。その時、いくつかのブランドから限定の香りが発売されたのだが、この「ウードアンドベルガモットリッチエキストラ」もその一つだった。他にもリッチエキストラのシリーズは出ていて、既存の香水をもう少し深化させた香りとのことで、その中にこのウード系の香水があったので楽しみにしていたのだ。
実際に会場のサンプルを試してみたら、確かに、同じ「ウードアンドベルガモット」とはまったく別ものなのではないかと思えるくらいに深くて、これは絶対にお迎えしなくてはいけないという気になった。軽やかさとは無縁で、そこにあるのは、深みだけだ。
どっしりとしている中にほんのりとベルガモットを感じる。そういう香りにぼくはすっかり魅了されてしまったのである。

NOTES

Agarwood(Oud), Bergamot, Amber, Orange

FRAGRANTICAに記載されている調香はこの４種類だけで、公式ページにも詳しい調香や調香師などは明かされていない。
この調香だけを見ると、軽やかで甘さも感じられるのでは？と思う人もいるかもしれないが、まったく違う香りだ。とにかく肌にどんどん浸透していくような深さがある。拡散性というよりも、内面に入り込んでいくような香りというか。柑橘系も果実というよりも皮の苦みの方が感じられる、そんな香りだ。

My Evalution

★★★

ただ、やはり他のウード系と比べてしまうと、個性的ではあるものの、どうしてもガツンと感が少ない気がして、評価も★３つになる。だが、嫌いというわけではないので、念のため。