第52夜 Oud Ispahan

ゴージャスで、パウダリーで、スパイシーなウード

f:id:happyinkdays:20210418223105j:plain

 

DATA

Name: Oud Ispahan(ウードイスパハン)
Brand:Christian Dior
Launched in 2012
Perfumer:Francois Demachy
50ml ¥13,200

 

My Episode

クリスチャンディオールというと、どうしてもDCブランドのイメージが強くて、ぼくはつい最近までは、そのDCブランドのディオールしか知らなかった。
しかし、実はディオールにはもう一つメゾンクリスチャンディオールというラインがあり、こちらは、日々と生活空間を香りで彩り、ライフスタイルを香りで楽しむというコンセプトのフレグランスラインなのだとか。
店舗も限られているのだが、ぼくはたまたま香水好きの友人とGINZA SIXに行った際に教えてもらい、中に入って色々と話を伺った。
初めて行ったところなので、とりあえず自分の好きな香りを伝えたところ、なんと、そのメゾンクリスチャンディオールにはウード系の香りがいくつかあるというではないか。
それを聞いた時、ぼくの目は輝き、鼻の穴も少し広がったに違いない。それくらい感動した。
ただ、残念なことに日本に上陸しているウード系の香水は1種類だけとのこと。
それがオリエントの宮殿をイメージしたという「ウードイスパハン」だった。
まずはムエットで試してみたのだが、最初の印象が非常にフェミニンなウードだということ。華やかさをトップで感じられた。
なるほど、こういうウードもあるのね…と思いながら、今度は友人が試したいという香水をいくつか試したのだが、その間もぼくは手元のムエットが気になって仕方なかった。
これはしばしばあることなのだが、いろんなムエットを試しながらも、その間、何度も何度も気になったムエットを楽しむ。
中にはまったく気にならないムエットもあるのだが、そういう香りはまず縁がないと思って良いだろう。
しかし、気になる香りのムエットは他の香りをかいだ後にまたかいでみるのだ。そうすると新たな発見があったり、時間が少し経って変化を感じられたりする。
そして、この「ウードイスパハン」もそんな気になって仕方がない香りだった。
その変化の中で特に感じたのがスパイシーな香りだった。
ぼくが最初に感じたフェミニンな印象はパウダリーな香りがそういう印象を与えていたのだが、その印象はすぐに消えて、今度は非常にスパイシーな香りが立ってきたのだ。
これがぼくにはたまらなかった。
陰と陽で言ったら、このウードは完全に陽だ。
とにかく明るい。
だから、ぼくは迷わずにその日はこの香りを選んでお迎えすることにした。
こういうウードはありそうでないと思うので、意外にも個性的でお迎えして良かったなと思っている。

 

NOTES

Top note: Labdanum
Middle notes: Rose, Patchouli, Saffron
Base notes: Agarwood (Oud), Sandalwood, Cedar

トップのラブダナムは、地中海に生息する植物で、香りの強い樹脂を分泌し、それがアンバー調の香りを放つ。トップに感じられるパウダリーで華やかな香りはこのラブダナムなのだろう。そこにサフランやパチョリといった深みのある香りが加わり、スパイシーな香りへと変化する。そこがこの香りの大きな特徴といえよう。

My Evalution

★★★★

非常に上品で華やかな香りで他のウードにはない独特の雰囲気を持っている。ぼくの肌の上ではローズの香りはほのかでスパイスがより際立つ。そこがぼくにとっての高評価のポイントになる。