第53夜 Agarwoud

レザリーで少し甘めのウードの香り

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DATA

Name: Agarwoud(アガーウード)
Brand:James Heeley
Launched in 2011
Perfumer:James Heeley
50ml ¥23,000


My Episode

ヒーリーのことを知ったのは一昨年のこと。たまたま香水好きの女友だちとフエギアに行った帰りによったセレクトショップでヒーリーの香水と出会い、ひと鼻惚れをして買ったのがPhoeniciaだった。この香水については以前もご紹介しているので、そちらを参考にして欲しい。 

1001perfumenights.hatenadiary.jp 

この時は、まだこのブランドについてあまり良く知らなかったのだが、その数か月後に、実はもう一本ウード系の香りがあると教えてもらったのがこの「アガーウード」だった。デパートなどで見かけるたびに試して、そのたびに良い香りだなと思いつつも、なかなかお迎えをする機会がなかった。
ところが、今年に入ってこの香りが無性に気になり、思い立ったが吉日人間のぼくは、その購買意欲がマックスになったタイミングで有楽町にある阪急メンズ館の香水売り場に赴いた。
買う気満々だったのだが、せっかくお店に来たのだから、店員さんの話を聞いてから買おうかなという気持ちでいたので、とりあえず近くにいた男性スタッフに声をかけ、アガーウードをムエットで試させてほしいとお願いをした。
しかし、とても残念なことに、その男性スタッフは、何も商品説明をしてくれなかったのである。ぼくはこの香りのことはすでにネットなどで調べておいたので、敢えて話を聞く必要はなかったのだが、それでもそのほかの情報を聞けたら良いなと思って店頭に行ったというのに、その男性店員はずっと黙ったまま突っ立っていたのだ。

阪急メンズ館の香水売り場は、いろいろなブランドが並べられており、それぞれのブランドを扱う代理店の方が売り場に立っていることが多い。ひょっとしたらその男性店員はヒーリーの担当ではないのかもしれない。しかし、その売り場に立っているのであれば、最低限の知識は持っているはずだとお客は期待して行くわけである。しかし、彼は何も言わずに黙ってぼくがムエットで試しているのを眺めているだけだった。
せめて「いかがですか?」とか「こういう香りがお好みなんですね?」とか声をかけてくれれば、それを糸口としてこちらも話ができるのに、それすらもなかった。
もしそのブランドの担当者じゃなかったら、素直にその旨をお客に伝えて、そのブランドに詳しい他のスタッフを呼ぶなり、あるいは自分で香りを試してその感想を述べたりするのがプロなんじゃないだろうか?

ぼくはこのブログで何度も訴えているのだが、香水というのは目に見えない実に繊細な物である。人によってその香りに対する印象も大きく変わる。

だからこそ、我々はスタッフのプロとしての話が聞きたいのだ。その香りの背景やブランドの話、あるいは今の香りのトレンド、さらにはそのスタッフのその香りに対する印象などを参考にしたいのである。

なのに、そういう話を最初から拒絶しているような態度はどうなんだろうか?果たしてあなたはそれでお給料をもらって良いと思っているの?と小一時間問い詰めたい気持ちになってしまった。

全国の香水を扱っている販売店のスタッフの皆様、

どうか、どうかちゃんと香水に関するお勉強してください。
こんなことを言うと生意気だと思われるかもしれないけれども、でもやっぱり香水というのは、数百円の野菜を買うのとは違う。その香りをこれから纏って、自分の毎日の生活を豊かにしたいと思っている人たちにとっては香水というのは大切なアイテムなのである。それにそれなりのお金を払うわけだから、買う時にプロの方に話を聞きたいと思うのは当然のこと。そのことを自覚して接客にあたって欲しいと常々思っている。

普段ならそういう接客をされるとぼくは何も買わずに意気消沈して帰ってくるのだが(あまりにもひどいと、いつ行っても素晴らしい接客をしてくれるお店に行って愚痴をこぼすこともある)、その日ばかりは買う気マックスだったので仕方なくお迎えしたけれども。

でも、そうするとこの香りの印象というのが、その香りをお迎えした時のエピソードが最初のエピソードになってしまい、非常に残念なのだ。


NOTES

Incense, Dates, Vetiver, Agarwood(Oud) , Birch, Labdanum, Raisin, Sandalwood

トップから深みのある香りを感じる。そしてレザー感があるのだが、そのレザーはすぐに消えて、今度は少し甘さが出てくる。恐らくそれはデーツやレーズンの香りなのかもしれない。しかし、それらの甘さは甘ったるくない。つまり砂糖系の甘さではなく、フルーツ系の甘さで意外とあっさりしている。その甘さとウードが絡み合い、しっとりと肌に馴染む。そんな感じがするのだ。
重い香りではあるけれども、比較的甘さがその重さを軽やかに変化させる部分もあり、纏いやすい香りにまとまっている気がする。

My Evalution

★★★