第54夜 Matière Noire

気候の良い時期に美しく香るウード

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DATA

Name: Matière Noire (マティエール・ノワール
Brand:Louis Vuitton
Launched in 2016
Perfumer:Jacques Cavallier
100ml ¥38,500

My Episode

香水というのは生ものである。
旬もある。
季節によって香り方はまったく変わってくるし、朝と夜でも感じ方は異なる。だからこそ、香り選びというのはすごく慎重になる。
例えば、この前試した時はまったく感動しなかったのに、なぜか今日は気になるという場合がある。同じ香水のはずなのに、どうしてそう感じてしまうのかというと、香水は生ものだから。
その時の自分の体調もあるのかもしれない。
あるいは前回来た時は晴れていたけど、今日は雨だから湿度が高いということもままあることだ。
香りって、そういうちょっとしたことで感じ方がまったく異なるので、だからこそ面白いのである。
さて、今日ご紹介する「マティエール・ノワール」もまさにそんな一本だ。
昨年の夏、初めてルイヴィトンに遊びに行った時に試した中に入っていたのだが、その時はあまりにも多くの香水を試したので、そんなに意識することはなかった。
しかし、今年、二度目に表参道のお店に遊びに行った時にこの香りを試し、とても気になったのだ。
ルイヴィトンから出ている何本かのウード系の香水の中でも一番爽やかで軽やかに感じられたから。
ただ、それはあくまでも比較の問題で、実際にはやはりウード系なので、重いことは重いのではあるが、普段から重いのもばかリつけているぼくからすると、かなり軽いという印象。
しかし、その時は1月のまだ寒い時期だったので、この香りではなく、もう少し温かみのあるウード系の香りを購入し、「マティエール・ノワール」は、気候が良くなったらお迎えしようということになった。
気分的には、初夏のゴールデンウィーク前ぐらいに表参道に来ることがあったらまた試してみようかな、ぐらいの軽い気持ちだった。
ところが、その数週間後、たまたま別のお店に香水好きの人たちと遊びに行った時にルイヴィトンの表参道店の前を通りかかったら、いつも担当してくださるベテランの男性店員の方をお見掛けしたので、ふらふらと中に入り、再びあれこれと香水の話を聞くことになった。
ぼくとはまったく好みの違う香りを選ぶ人たちだったので、その人たちと一緒にルイヴィトンの香りの世界の話を改めて聞くのはとても楽しいひと時だった。
その日はかなり温かい日で、コートも着ていなかった。
ふと、この前試したあれを纏ったらどうだろう?と思って、その方にお願いをして再びムエットでかがせてもらったら、やっぱり良い香りなんである。確かに寒い時期に来た時とはまた香り方も異なり、すっと肌に馴染む感じがした。
実際に肌に載せてもらっても、それは変わらなかった。
5月まで待って買うよりも、今ここで買っちゃった方が良いかなぁ。という気持ちがむくむくとわいてきて、結局購入を決定したのである。
今度はこの香りが、夏の湿度のある暑さにどのように反応するのか、楽しみである(残念な結果にもなる可能性もあるけど)。

NOTES

Top notes: Blackcurrant Syrup, Watery Notes
Middle notes: Rose, Cyclamen, Narcissus, Jasmine Sambac
Base notes: Agarwood (Oud), Patchouli, Incense, Benzoin

このノートだけを見ると、さっぱりとした雰囲気はあまりないのだが、恐らくトップのブラックカラントやジャスミンサンバックがさっぱりした印象を作り出しているのかもしれない。

My Evalution

★★★★