第232夜 Encens Suave

リッチな甘さにスパイスを添えて

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DATA

Name:Encens Suave (アンサン・スァーヴ)
Brand:Matiere Premiere(マティエール・プルミエール)
Lauched in 2019
Perfumer:  Aurelien Guichard

100ml ¥30,800

My Episode

昨年の新宿伊勢丹で開催されたサロンド・パルファンは、いくつかの新しいブランドにぼくの鼻腔をくすぐる香りがあり、大収穫だった。その中の一つがこのマティエール・プルミエールだ。すべての香りを試したのだが、どの香りもユニークで印象に残るものばかり。
だが、それらのすべてを買うわけにもいかなかったので、2つの香りを厳選した。
ひとつは昨日ご紹介した「ファルコン・レザー」だが、もう一本が今日ご紹介する「アンサン・スァーヴ」である。
ムエットで試した時に、ふわっと甘くてスモーキーな香りが漂い、一瞬で虜になった。典型的なアンバーの香りがたっぷりと漂ってきたのだ。
そして、肌に載せてみて面白いと思ったのは、そこに絶妙なタイミングで入ってくるスパイスの香りだった。それもまたちょっと甘めで、スモーキーを伴っているところもまたアンバーらしい展開。
ある意味わかりやすいアンバーなのかもしれないが、それが非常に豊かなのがこの「アンサン・スァーヴ」の大きな特徴。
ふくよかな包容力のあるアンバーとでも言おうか。
包み込むような優しさがこの香りにはある。
そこに、ちょっと隠し味でスパイスやらインセンスやらが紛れ込んでいるという感じだろうか。
「ファルコン・レザー」と同様に、他の香水と比べると比較的重めの香りの部類に入るだろう。だが、この「アンサン・スァーヴ」は重い香りでも光が見える香りだ。
重さの中に明るさがある。そこが「ファルコン・レザー」と異なる部分。これは、あくまでもぼく個人の考えではあるが、アンバー系の香水の多くは、昼間の香りで、一方ウードやレザー系の香水は夜の香りのような気がする。
光と影の分量がそれぞれ違うのだ。
もちろん、例外はあるけど。
いずれにせよ、この「アンサン・スァーヴ」はぼくにとっては昼間の香りだ。光を浴びながら、たっぷりと纏いたい。
ちなみに、「Encens Suave」とは、日本語に訳すと「甘いお香」という意味で、もう、本当にまさにその通り!

NOTES

Top note:Coffee
Middle notes:Incense, Madagascar Vanilla
Base notes:Benzoin, Labdanum

香料を見てびっくりしたのが、Amberの記載がなかったこと。まぁ、Amberというのは実体のないもので、様々な調香師がいろんな香料を使ってAmberを表現しているので、そういうことなのかもしれないが。なるほど、コーヒーとバニラの香りでこの独特の豊かな香りが作り上げられるんだ!と改めてこの香料を見て納得した。

My Evalution

★★★★★
だって、アンバー系だぜ!という理由。一昨日もエレナの新作アンバーをレビューしたが、アンバーって、本当に調香師やブランドによって表現方法が違い、でも、やっぱりアンバーはアンバーで、ぼくの鼻にフィットするんだなと改めて思った。