第104夜 Beaute du Diable

悪魔の美しさに惹かれて…

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DATA

Name: Beaute du Diable(ボーテ・デュ・ディアーブル)
Brand: Les Liquides Imaginaires
Launched in 2019
Perfumer: Louise Turner
100ml ¥38,500

My Episode

その昔、マッチョな男と付き合っていた時、仏様よりも仁王様の方がマッチョが多い気がするから、天国よりも地獄に行きたいって言ったら、大声で笑われたことがあるのだが、実は今でも本気でそう思っている。
だから、神様よりも悪魔の方が興味あるのだ。
まぁ、ギリシャの神様だったらマッチョが多そうだから、話は別だけど。
さて、今日ご紹介する香水である「Beaute du Diable」は日本語に訳すと「悪魔の美しさ」という意味になる。
もう、これはマッチョってことじゃないの!?とその名前を見た時に思ってしまった。
そして、香りを試す前から予感はあった。
きっと墜ちるに違いないと。
だって、名前に「Diable(悪魔)」ってあるじゃないの。
賢い読者だったら、すぐにピンと来たはず。
ぼくが以前にも悪魔系の香りに落ちてしまったことがある。
そう、セルジュルタンスの「La Couche du Diable」(悪魔の寝床)だ。

 

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そして、「La Couche du Diable」と「Beaute du Diable」には大きな、そしてぼくにとって重要な共通点がある。
どちらもウード系の香水なのである。
ひょっとして、悪魔とウードって密接な関係があるのかしら?と邪推してしまうほど。
さて、この「悪魔の美しさ」と名付けられた香水はというと…。
もうね、文句なしの5つ星。この香水は100mlにしては少々お高めなのだが、それだけの価値はあるとぼくは思っている。
とにかくトップからウッディでスモーキーな香りと、独特のスパイスが香り立つのだ。
しかも、これは夏でも十分に纏うことができる珍しいウード。
むしろ夏につけて欲しいくらいの香り。
時間がたつと肌の上で少し甘みが出るのだが、スパイスのヴェールに包まれているので、その甘みがまったく甘ったるくならないのだ。糖分ゼロの甘さというと人工甘味料的なものを連想する人もいるかもしれないが、そんなことは全然なくて、どちらかというとスパイスから感じられる甘さ、例えばシナモンのような、そんな感覚(一応シナモンは公式サイトでは香料には入っていないが)。
非常に個性的な香りで、一度鼻に記憶させたら、好き嫌いにかかわらず、絶対に忘れられない香りになることは間違いないだろう。それだけのインパクトがあるのだ。
悪魔に筋肉があるのであれば、きっとその筋肉はこんな香りがするに違いない!と思わせるほどのインパクト。
そして、深いのだ。香りがとてつもなく深い。
なのに、それが押しつけがましくない。
そのバランスがたまらなく良い香り。
重い香りというと、どうしても夏には不向きで冬に纏いたいと思われがちなのだが、この「悪魔の美しさ」は不思議と夏でもまったくその重さが気にならない。むしろ夏だからこそつけたいという誘惑にかられる香り。
きっとこの香りの虜になった人はここから逃れられないだろうなぁ。
ふふふふ、この香りを纏って、マッチョな男でもひっかけてやろうかしら?と画策したくなるような、そんな危うさを感じる香りなんである。
※あくまでも個人の感想です。

一応断りを入れておいた方が良いと思って…笑笑。

NOTES

Top notes: Absinthe, Gin, Coriander, Bitter Orange, Italian Lemon
Middle notes: Clove, Carnation, Geranium, Cypress, Ylang-Ylang
Base notes: Agarwood(Oud), Cobblestone, Guaiac Wood, Haitian Vetiver, Labdanum

この香りで特記すべきはトップノートのアブサンやジンといったお酒の香りだろう。このあたりの香りが人を酔わせてしまうのかもしれない。下戸のぼくでもこれだけ酔っちゃうんだから、お酒好きの人にはたまらないんじゃないかなぁ。そして、クローブもぼくにとっては非常に重要。シナモンの甘さに似ていると感じたのは、このクローブに引き立てられる別の甘さなのかもしれない。


My Evalution

★★★★★

この香りを調香したLouise Turnerという女性に見覚えがあって、記憶を辿ってみたら、なんとロベルトキャバリの「Oud al Qasr」を調香した人だった。

 

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 この人の手掛ける香水、他にもウード系のがあるようなので、少しずつ揃えてみたくなった。