第110夜 Les Absolus d'Orient Oud Essentiel

混じりけのない純粋ウード

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DATA

Name: Les Absolus d'Orient Oud Essentiel(ウード・エッセンシャル)
Brand: Guerlain
Launched in 2017
Perfumer: Thierry Wasser

My Episode

ウードを巡る旅をしていると、ウードと一言で言っても、実に色々な種類のウード系の香水があるということがわかる。
ウードそのものは重い香りだし、癖が強いので、ベースに使われることが多く、それによって、トップからミドルにかけては様々な香りで味付けがされることになる。
例えばそれはローズであったり、レザーであったり、あるいはアンバー系の甘めの香りだったりする。
だから、あまりにもそういう色々な幅広いウード系の香水を試していると、時々「あれ?本当のウードらしいウードってどんな香りだったっけ?」っていう気持ちになる。
そんな中、久々にウードらしいウードと出会った。それが今日ご紹介するゲランの日本未発売の香水「Les Absolus d'Orient Oud Essentiel」だ。
たまたまネットでウードを検索していたらみつけ、そんなにべらぼうに高いわけでもなかったので、日本未発売だし、ゲランだし、と思って思い切って注文してみた。
ボトルは非常にシンプルなもので、「これは本物なのか!?」と半信半疑だったのだが、どうやら調べてみると、このシンプルなボトルのものしかなくて、恐らく本物だと思って間違いないと信じている。
本物か偽物か、というのは、本当に素人にはあまり良くわからないので、そのあたりはあまり神経質にならずに、出品者を信用しようと最近は思っているのだが。
さて、香りは冒頭でも話したように、実にウードらしいウードだ。
トップからそれはすぐにわかる。
もちろん、他にもレザーやローズといった香りは香料の中に入っているものの、メインとなるのはウードそのもの。
これぞまさしくウードの香り!という感じだろうか。
しかし、重そうに感じるウードなのだが、不思議なことにゲランのこのウードはそんなにザ・重いという感じがしないのだ。
香りを肌に載せたばかりの時は重いけれども、その重さは一時間もするとぼくの肌の上では静かに落ち着く。
しかし、もちろん、ウードらしさは残り、肌なじみが非常に良い。
ぼくの肌はある香水好きの友人曰く「バキュームスキン」、つまり香りを強力に吸い込む肌なので、あまり参考にはならないかもしれないが、とにかくぼくの肌の上では本当にすっと肌の奥に入り込む。
そして、しばらくすると、ほんのりとスパイシーに香り、最後はウッディな感じで落ち着くのだ。
ウードの旅を続ける中で、迷子になったら、本来のウードに立ち返る意味でこの香りをまとうのも良いだろう。

NOTES

Agarwood(Oud), Leather, Saffron, Rose, Olibanum, Cedar

FRAGRANTICAによると上記の6種類の香料のみが記載されている。
もちろん、もっといろんな香料は使われているとは思うが、シンプルな構成であるのは香りを実際に試せばわかると思う。

My Evalution

★★★★★

やっぱりこのシンプルなウードの重みというのは、貴重だなと思うし、これをベースに色々と広げていくのも良いかもしれない。日本未発売というのが何とも残念だが、ウード好きにはぜひとも試していただきたい一本である。