第116夜 Uncovered City

一度嗅いだら忘れられない混沌とした魅惑の香り…

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DATA

Name: Uncovered City(アンカバード・シティ)
Brand: TOBALI
Launched in 2021
Perfumer: unknown
50ml ¥14,850

My Episode

日本の香水ブランドTOBALIが、東京を代表するアーティストである蜷川実花さんとコラボした香水が2021年の春に突然発売になった。
「東京の記憶」をコンセプトに、渋谷、新宿、青山の3つの場所にちなんだ香りとヴィジュアルが融合した新作はフレグランス好きの間でも話題になった。
TOBALIは昨日ご紹介した「Iron Wind」しか持っていないが、比較的リーズナブルな価格の割に素晴らしい香水という印象があるので、まずは試さなくては!と思い、香水好きの人たちとともに伊勢丹新宿店に向かった。
3つの香りを次々と試してみて、3人ともが違う香水を好んだというのが面白かったのだが、ぼくは一択しかなかった。それがこの「UNCOVERED CITY」である。
とにかくぼくの好きな要素がたくさん詰まっているのだ。
まずトップに感じるのが甘い香り。決して甘ったるくはない、どちらかというと凛とした甘さ。
そこにウッディな要素やアニマリックなレザーの要素が加わる。え?ちょっと待って?奥に潜んでいるのはウード?という嬉しい驚き。
舞台となるのは、やっぱり新宿。
じゃりどもが集う渋谷とか意識高い系が闊歩する青山とは違う、猥雑で隠微ですべての欲望を吸い込むような新宿という、ぼくにとってみれば30年近く(夜遊びを覚えたのは社会人になってからなので…。こう見えても遅咲きなのよ)慣れ親しんだ庭のような街。
そして、この香りは一度嗅いだら二度と忘れることができないほどのインパクトがある。なんだろう?この独特の懐かしいような不思議な感覚。
公式サイトでは次のように説明されている。

湿度を感じるパチョリとシダーウッドのエキゾチックさに、動物的なレザーノートとラム酒の香りが混沌と刺激的に混ざり合う。新宿のネオンの光で露わになる、現代社会の人々の歪んだ欲望の香り。

なるほど、湿度を感じるパチョリが全体の骨格を作り、レザーノートやラム酒などが「人々の歪んだ欲望の香り」にまとめ上げているのかもしれない。それが他にはない唯一無二の香りを作り出しているのだ。

この香り、数量限定なので、早めにもう一本お迎えしておこうかなぁと思っているところ。

NOTES

Top notes:Pepper,Coriander
Middle notes:Patchouli, Cedarwood, Suede, Rose
Base notes: Agarwood (Oud), Musk, Vanilla, Rum

スモーキー、ウッディ、ほんのり甘くてウード、ぼくの好きな要素がこれでもか!というほど詰まっている。そこにローズという比較的多くの人に受け入れられる香料を入れることで、より親しみを増しているという感じだろうか。

My Evalution

★★★★

初めてこれを纏った時はものすごく衝撃的で、2本まとめて買おうかと思ったほどなのだが、季節が変わり、少し暑くなってから改めて肌に載せると、ちょっと甘さが気になるところ。なので、一応★の評価は4.5というところだろうか。