第117夜 Black Oud

しっとりウードは意外に軽やか?

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DATA

Name: Black Oud(ブラック・ウード)
Brand: R Fragrance
Launched in 2017
Perfumer: Chizuru Murai
50ml ¥18,150

My Episode

海外で言うところのウードである沈香は、日本ではお香の世界でお馴染みである。なので、もっともっとアガーウッドの香水が増えても良いと思っているのだが、海外の場合はウード=中東というイメージが強いらしくて、実際に日本人がかぐと、海外のウードはかすかにお香に似ているけど、きついと感じる人が多いのではないだろうか。
ぼくはその重さがたまらなく好きで、ウードを巡る旅をしているわけだが、日本人にも受け入れられるウードというのもそろそろ試してみようと思い始めたのはつい最近のこと。
一昨日、昨日とご紹介したTOBALIも日本のブランドだが、どちらかというと解釈そのものは欧米寄りのような気がする。
今日ご紹介するR Fragranceは、国産にこだわった香水ブランドで、日本人の調香師が気候や肌質に合った香りを調香しているのだという。
ブランド名の「R」には、凛(RIN)とした佇まい、高級で豊かな(RICH)、そして希少性、個性という意味の(RARE)の意味が込められているのだという。
そして、その中にウードの香りがあったのである。
今までぼくは売り場で何度も試しながらも、どうも輪郭をとらえることができずに、躊躇していたのだが、やっとこの度お迎えすることになり、早速まとってみたら、これがなかなか深い香りなのである。
香りそのものは非常にシンプル。
ザ・ウードという感じで、ある意味面白味というのはないかもしれない。
そうなのだ、日本人は非常に真面目だから、その真面目さが香りにも表れている。シンプルで、あんまり余計な香りは感じない。
ウードのどっしりとした香りがメインで、それを軽くアンバーなどがまとめているという感じだろうか。
そして、軽い。
驚くほど軽い。
拡散性はなく、ほとんど自分のためにつけるんじゃないかっていうほどの軽さだ。
これならば純粋に自分のためにウードを使いたいという時に良いだろう。


NOTES

Top notes:Bergamot
Middle notes:Geranium, Rose, Iris
Base notes:Amber, Musk, Agarwood(Oud), Patchouli, Sandalwood

明かされている香りの構成はシンプルで少な目。
だからこそウードとちゃんと向き合いたいという時には良いのかもしれない。

My Evalution

★★★

香りの持続力や拡散性という意味では、海外のウード系に比べれば薄いので、ぼくにはちょっと物足りない。多分普通に50プッシュぐらいしないとだめかも。でも、シンプルな力強い骨太のウードを感じたい時にはとても良い香りだと思う。