第125夜 沈香 Agarwood

沈香はどこに?…涙

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DATA

Name: Agarwood 沈香
Brand: J-Scent perfumes and colognes
Launched in 2015
Perfumer: unknown


My Episode

銀座SIXは、しばしば遊びに行く場所である。
最近はFUEGUAIが入ったし、地階の売り場にも好きな香水ブランドがあるし、何よりも6階には文具が充実している蔦屋も入っているので、上から下までじっくりと楽しむことができる商業施設なのである。
ぼくはそこの蔦屋限定のインクをしばしば購入するのだが、先日その香水を購入しに行ったついでに、何となく売り場を見て回った。その時、目に入ったのがJ-Scentというブランドだった。ずらりと香水らしきボトルが並んでいて、ふらふらと近づいてみた。
時々香水だと思ったらルームフレグランスでがっかりすることがあるので、あまり期待しないで色々と調べてみたら、どうやら日本発の香水らしいことが判明。ちょっと待て!ひょっとしたら日本発ということは、伽羅とかあるんじゃないか!と思って目を皿にして、ずらりと並んだボトルを一本一本確認したら、見つけてしまったのが「沈香」である。
もう、これは買うしかないじゃん!
ということで、インクの他にこちらの香水もお迎え。
ところが、である。
これもまた看板に偽りありということがわかった。
なんと、香料の中にAgarwoodが入っていないのだ。
おいおい!
ちょっとは入れなさいよ!一応Agarwoodという名前なんだからさぁ!と香料が書かれているラベルを見て文句を言ってしまった。
この香りの輪郭を作り出しているのはサンダルウッドやムスク、パチョリといったいわゆるオリエンタルな香り。
そこにシナモンなどの香りが色どりを添えている。
しかし、昨日ご紹介した「Amber Oud」と違うのは、この香りはAgarwoodは入っていないし、そんなにウードウードしているわけじゃないのだが、香りとしてのレベルは非常に高いということ。
お値段も確か5000円以下だったと思うのだが、その割には非常に美しい香りだ。
日本らしい凛としたすがすがしさも感じられるし、その中にお線香みたいな癒しの香りもしっかりと漂う。
軽いので、ばしゃばしゃ使ってOK。
夏にも使えるお香系の香りとでも言おうか。
沈香じゃないけど、まぁ、この香りのレベルだったら許してあげようか。と思ってしまった。


NOTES

Top notes:Cinnamon, Orange Peel
Middle notes:Cedar, Vetiver
Base notes:Leather, Sandalwood, Amber, Musk, Patchouli

シナモンがかなり効いているが、シナモン独特の甘さはあまり感じられず、むしろクローブのようなスパイシーな香りもかすかに感じられる。時間が経つと、その静かなピリ辛感がスモーキーに変化してきて、そこが非常に面白い。例えば浴衣を着た時に(ぼくは持っていないけど)この香りが漂ってきたらとてもかっこいいんじゃないだろうか。

My Evalution

★★★★

名前に偽りあり、だけど、でもこれは香りそのものがとても美しいので、この夏、がんがん使いたいと思っている。