第153夜 Id

強烈なスパイスとウードの競演

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DATA

Name:Id
Brand: Mendittorosa
Lauched in 2012
Perfumer:Amelie Bourgeois & Anne-Sophie Behaghel


My Episode

昨年の七夕に引き続き、今年も何か素敵な香りがないかと思ってでかけたNOSE SHOP。銀座店にはお目当ての香水がなかったので、その足で新宿店に移動。
そこで初めて試したのがNOSE SHOPのオンラインで、そのボトルの形からずっと気になっていたイタリアのブランド、メンディットローサのウード系の香水だった。
そして、「アルファ」「オメガ」「イド」というこのブランドで最初に作られた香りを試したのである。
「アルファ」は実は全然ぼくの鼻をくすぐってくれなかったのだが、「オメガ」はアンバー系の甘い香りとスモーキーさにやられて購入候補に挙がった。
次に試したのが「イド」である。「オメガ」を購入するつもりでいたし、まぁ、これ以上素晴らしい香りはないだろうという勝手な予感を抱きながらムエットを鼻につけたら…。
その瞬間、衝撃的に恋に落ちた。
がつんとやられた感じ。
あぁ、これはもう、逃れられないという強烈な記憶が一瞬で鼻の奥に刻まれてしまったのである。それぐらいの衝撃だった。
とにかく本当にスパイシー。
スパイス好きな人は絶対に試すべきほどの香り。
パキパキしたスパイスの中にほんのりと感じる甘さ。
そこがもう、たまらなく魅力的。
昔どこかでかいだことのあるような香りなのだが、それがなんなのか思い出せない。でも、確かにぼくのこの鼻はこの手の香りを確実にキャッチしたことがある。
その懐かしさもこの鼻の魅力になっているのだろう。
しばらく、ぼくはそのムエットを持って売り場に立ち尽くしてしまったほどだった。
そして、当然のことながらもう片方の腕に載せてもらった。
「OMEGA」とは対極にあるスパイスの香り。
そして、どちらもウードが絡まっているので深みもある。
そして、調香師はもちろん、ぼくの好きなブルジョワさんとベハゲルさんの共作。
これはもう買うしかないんじゃない?
ということで、悩みに悩んだけど、このブランドの香水は入荷数が少なく、在庫を切らすと当分入荷しないという話を聞いて、「ええい!こちらもお迎えしてしまえ!七夕じゃ!お祭りじゃ!」という気分で2本同時にご購入と相成ったのである。

Note

Top notes: Ravensara

Middle notes: Clove, Nutmeg, Iris, VIolet, Jasmine

Base notes: Birch, Labdanum, Benzoin, Cinnamon, Ambroxan, Agarwood (Oud). Precious Woods, Indonesian Patchouli Leaf, White Musk

ぼくの好きなスパイスの香料にシナモンとクローブがあるのだが、見事にその両方がしっかりと入っている。それにウードを絡めるなんて、本当に最高の香りだ。今年買った香水の中で恐らくベスト5に入るかもしれない。それぐらいのインパクトのある香りだった。

My Evalution

★★★★★

なんだったら、星10をあげてしまいたいほど、この香りは良い。そして、ぼくの肌の上だからこそ美しく香る香水なのではないかと思う。スパイスをまとっても、ウッディ系のぼくの肌の上ではそれほどスパイスがつんつんしないのである。ガツンとするけど、ウッディの香りにスパイスが少し押さえられ、程よい辛みになる。夏でもぼくはこの香りとともに過ごすことが多くなった。こういう香りとの出会いがあるから、ぼくは貪欲に香りを求めてしまうのかもしれない。