第171夜 Noir Exquis

お酒とコーヒー、苦さと甘さの大人の香り

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DATA

Name:Noir Exquis
Brand: L'Artisan Parfumeur
Lauched in 2015
Perfumer: Bertrand Duchaufour

My Episode

ラルチザンには、紅茶の香りがあるんだったら、コーヒーの香りもあるのか?と問われたら、ぼくはまっさきにこの「Noir Exquis」を挙げる。この香りはぼくの大好きなベルトラン・ドショフールが2015年に手掛けた香りで、今のところ、この香水以降、彼はラルチザンでは香水を作っていない。

この香りは、日本未発売なのだが、ネットでは比較的買いやすいので、ぼくの周りでもこの香りのファンは多い。
特にグルマン系の甘い香水が好きな人にはたまらない香りなんじゃないかと思う。
とにかく甘い。
でも、単に甘いだけじゃないところが、奇才ベルトラン!
珈琲の苦さと、ラム酒のまろやかさと、ヴァニラの甘さが見事に絡まり、大人っぽさを感じさせる香りなんである。
しかし、その大人っぽさにはわざとらしさというのが一切ない。
自然と身についた大人としての嗜み。
そんな大人っぽさがこの香りにはあるのだ。
若い人はこういう香りの大人に憧れるだろうし、大人になり切れていない人もこういう香りを自然に纏えるようになりたいと思うに違いない。そして、本物の大人こそがこの香りをいとも自然に纏うことができるのだ。何も気負うことなく、さらりと香らせちゃう。
甘い香りは、なかなかビジネスシーンではつけにくいと思うのだが、この「Noir Exquis」はコーヒーやラムといった要素が入っているので、ビジネスシーンでもぼくはOKだと思っている。
ちなみに、「Noir Exquis」は「絶妙な黒」という意味。
甘さと苦さとまろやかさが絶妙に絡み合った香りにふさわしいネーミングだと思う。

Note

Top notes: Chestnut, Orange
Middle notes: Maple syrup, Coffee, Orange Blossom
Base notes: Vanilla, Ebony, Tonka Bean, Sandalwood, Heliotrope

バニラにメープルシロップ、トンカ豆というだけで、どんだけ甘いんだ?と思ってしまうのだが、コーヒー、チェストナッツ、サンダルウッドなどがそれと絡むと、こんなにも艶やかな香りになるんだ!?という驚きに満ちあふれている。

My Evalution

★★★★★

このレビューを書くために久々に纏ったのだが、纏った瞬間「やっぱり好き!この香り!」という高揚感を味わえた。ガツンとくる香りだけど、ラストの方は深みが増し、落ち着きも感じられてくる。その変化も含めてこの香りが好きだ。