第218夜 Cuir Kora

瑞々しい甘いレザーの香り

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DATA

Name:Cuir Kora(キュイール・コラ)
Brand:L'Orchestre Parfum(オーケストラパルファム)
Lauched in 2017
Perfumer:  Anne-Sophie Behaghel , Amelie Bourgeois
100ml ¥22,000

My Episode

最近自覚していることなのだが、ぼくの香りの好みには相当な偏りがある。ウードを始めとする、あらゆる重い香料が好みなのである。
パチョリとか、ローズ、サンダルウッドなどもそういった重い香りに含まれるだろう。
そして、実は革の香りも好みなのだ。
自分自身はそんなに革の製品に特別な思い入れはないのだが、革の独特のどっしりとした重い香りに憧れの気持ちが強い。
こういう香りをつけこなせる人間になりたいな、と常に思っているのだ。
だから、レザーの香りを無意識のうちに自然に選んでいるということもある。
若い頃に良く使っていた、ファーレンハイト、サファリフォーメン、ブルガリブラックなどにもレザーの香りが入っている。さらにぼくのウード好きの入り口となったアルードもウードと革が見事にミックスされた香りだ。
さて、このキュイール・コラを試したのは、恐らく2021年の前半だったと思うのだが、店頭で試してみて、昨日ご紹介した「テ・ダラブッカ」と比較し、すごく悩んだ記憶がある。
「テ・ダラブッカ」はウード系の香水なので、そちらではなく、なぜ革系のこちらを選んだのか良く自分でもわからないのだが、多分その時はこの「キュイール・コラ」の重みのあるでも甘い香りに惹かれたのだろう。
ノーズショップの銀座店に期間限定でAIを用いて、自分の好みの香りを言葉と香りの両方から探るという機械が置いてあり、それを試した時も、自分の好きな香りにこの「キュイール・コラ」が入っていて、なるほどね、と思った。何も水に香りを次から次へと試香していき、最終的に自分に合う香水を選んでくれるというものだったのだが、自分の鼻の正直さに笑ってしまうほどだった。
さて、このキュイール・コラの魅力というのは、肌に吸い付くような革感を味わえること。
肌に載せた瞬間は非常にフレッシュでふるーてぃーなのだが、その後、甘さが漂い、そしてラストには肌にしっくりと革が貼りついているような感覚を味わえるのである。その変化が実に楽しいし、香水の醍醐味を味わうことができる。


NOTES

Top notes:Mango, Spices, Cardamom, Plum, Elemi resin
Middle notes:Leather, Saffron, Labdanum
Base notes:Benzoin, Palisander Rosewood, Amberwood, Patchouli

この香料一覧を見て、マンゴーが入っていることにびっくり。トップのみずみずしさはこのマンゴーが非常に効いているからなのだろう。さらにプラムもそれをしっかりと支えている感じがする。
嫌いなところが一切ない、ぼくにとっては素晴らしい香り。

My Evalution

★★★★★

レザーの重さも後半感じられるが、瑞々しさがあるので、レザーが苦手という人もこれは好きになるかもしれない。レザーに挑戦してみたいけど、まだ勇気が出ないという人なんかもここから始めるというのも良いのではないだろうか。夏に纏ってもかっこよく香る、そんな香りだと思う。