第228夜 1978 Les Bains Douches

大人の社交場を思わせる濃厚で甘美な香り

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DATA

Name:1978 Les Bains Douches (1978 レ バン ドゥーシュ)
Brand:Les Bains Guerbois(レバンゲルボワ)
Lauched in 2018
Perfumer:  Bertrand Duchaufour
100ml ¥25,300

My Episode

昨日に引き続き、今日ももともとはパリの浴場施設で、今はホテルとして再建されたレバンゲルボワをモチーフとしたブランドのユニークな香りの登場。
しかも、今日の香水も手掛けたのはベルトラ・ドショフールである。
彼は香水界の奇才と呼ばれていて、強烈に個性的な香りを数多く作っている。とにかくぼくはその彼のユニークで唯一無二の発想が大好きで、すっかり彼の香りの虜になったのだが、最近あまり彼の手掛けた香りと出会っていなかったので、ちょっと寂しい気持ちがしていた。
ラルチザンパフュームで彼の香りと出会ったのだが、最近ではラルチでも仕事をしていないみたいだし、一体どうしちゃったんだろうと少し心配もしていたのである。
そんな矢先に店頭で並んでいた香りがベルトランだと、思わぬところで旧友に再会したような嬉しさに心が弾む。
ムエットと、試香用のビーカーで試してみると、非常に甘い。それもぼくの好きな系統のアンバー系の甘さだ。
鼻の穴が1㎜ほど大きくなったところで、肌に載せると、ふわっとグルマン系の甘い香りが広がる。お菓子というよりも、もっと濃厚なウィスキーのようなラムのような、そんなお酒系統の香りである。これが本当のとろけるような甘さ。
まったりと香りが広がる感じだろうか。
そこがたまらなく良いのだ。
さらにしばらく肌の上であたたまると、そこにタバコの煙のような香りが漂ってくる。そう、これもまたぼくの好きな要素なのだ。
非常に大人っぽい香りと言って良いだろう。
でもね、昼間にはつけちゃだめ。
絶対に夕方から夜にかけての香り。
これからちょっと食事に行って、その後バーでお酒でも飲もうかなっていう時にぴったり。そんな雰囲気がある。
とろりとしたお酒の甘さはウィスキ―だとかブランデーだとかそういう大人っぽい飲み物に合うだろう。お酒が飲めないぼくには、非常に羨ましい話ではあるけれども。
とにもかくにも、そんな香りだ。

NOTES

Top notes:Whiskey, Yuzu, Bitter Orange, Wormwood
Middle notes:White tobacco, Clary Sage, Heliotrope, Rose
Base notes:Amber, Mate, Myrrh, Patchouli, Atlas Cedar, Virginia Cedar

トップからウィスキーの香りが感じられるのが非常にユニーク。タバコやアンバーの煙たい香りと絡み合い、大人っぽい雰囲気が作られているのを感じる。でも、その一方でヘリオトロープだとかクラリセージといったハーブ系の香りも入っているところが隠し味になっているのかもしれない。

My Evalution

★★★★
昨日のメタリックでキーンとした香りとは正反対の温かい香りだ。ただ、ちょっと場所とか時間を限定する香りなので、そこがもったいないかな。でも、そういう場面の時に特別につけるという意味では良いのかもしれない。