第237夜 2015 Le Phénix

木の香りに隠れたスパイスが大人っぽさを演出

f:id:happyinkdays:20220220172802j:plain

 

DATA

Name:2015 Le Phénix(2015 ル フェニックス|不死鳥)
Brand:Les Bains Guerbois(レバンゲルボワ)
Lauched in 2018
Perfumer:  Michel Almairac
100mL ¥25,300

My Episode

元々はパリの浴場として誕生したレバンゲルボワをモチーフとしたブランドのことは、すでに数日前のベルトラン・ドゥショフールが手掛けたこのブランドの2本の香水をご紹介した時にも書いた。
そのブランドに、ぼくの大好きなミシェル・アルメラックが手掛けた香水があると知り、新しくオープンした有楽町のNOSE SHOPのオープン初日に駆けつけ、さっそく試させてもらった。
そうしたら、もう、これが本当に素晴らしい香りだった。
ベルトランの2本を試した時にも他のも試したはずなのに、なぜこれがノーマークだったんだろう?って思うほど。調香師を知ることで、鼻の感度が上がるということなのか?
(といっても、好きな調香師だからといって、その人が手掛けるすべての香水が好きか?というと、それはまた別問題だったりするわけだが)
ともあれ、ぼくがこのフェニックスを試して一番最初に感じたのは、あたたかさである。包まれるようなぬくもりがこの香りにはある。ただ、面白いのはその奥に潜んでいるスパイス。ヒリヒリするようなスパイシーな香りがひそかに隠れているんである。
だが、それが前面に出てこないのは、全体的に甘さも兼ね備えているから。
昨日ご紹介したウッディーパーフェクトもそうなのだが、ミシェル・アルメラックという人は、こういう二面性(あるいは多面性)を持つ香りを作るのが得意なんじゃないだろうか。
そういえば「バラ泥棒」にしたって、パチョリとバラの両方を見事に表現していたし。
このフェニックスはスパイスとしてはジンジャーが使われているのだが、肌の上でだんだんとそのジンジャーが感じられるようになり、それが大人びた雰囲気も演出してくれる。
なのにベタベタしていないから、これもまた夏に軽やかに纏える香りなんじゃないかと思う。


NOTES

Top notes:Cardamon, Ginger
Middle notes:Papyrus, Patchouli, Cedar
Base notes:Incense, Amber, Musk

香りを試しながら、このNotesを見ると、なるほどとうなずける香料ばかりが使われている。非常にシンプルでありながらも、複雑な香りに仕上がっていて、これは本当に素晴らしい香りだと思う。ラストにかけて、ここには書かれていないが、レザー感のようなものもかんじられるので、そこらへんもぼくの好みなのかもしれない。

My Evalution

★★★★★
これも文句なしの5つ★。もうね、嫌なところがひとつもない。ぼくの好きが詰まったような、そんな感じ。そして、何よりも大人っぽい。こういう香りが似合う男になりたいし、自分のパートナーになる男にもこういう香りが似合って欲しいとあれこれと妄想してしまうのである。