第382夜 Ombré Leather
辛口なオンブレレザー
DATA
Name: Ombré Leather(オンブレ レザー)
Brand: Tom Ford
Lauched in 2021
Perfumer:Sonia Constant
My Episode
2022年の伊勢丹サロンドパルファンでは、事前に告知された香水の中で気になるものが何本かあった。
そのうちのひとつがトムフォードのオンブレレザーだった。すでにぼくは一本、Amazonで購入したトムフォードのオンブレレザーを持っているのだが、どうやらそれとはボトルのラベルの色が違うらしいのだ。ぼくがAmazonで購入したのは、黒いラベルなのだが、告知に出ていたのは白いラベルだった。
そこで、事前にFRAGRANTICAで調べてみたところ、どうやら黒いラベルの方は2018年のものらしい。
そして、香りの構成を見てみると、ちょっと内容が違うようなのだ。
白いラベルの方にはアンバーが載っているが、黒いラベルの方にはアンバーはなく、その代わりにタバコの記載が見られた。
でも、同じ名前の香水だから、実はマイナーチェンジぐらいでそんなに変化はないかもしれない。いずれにせよ、双方を嗅ぎ比べる必要があると思ったぼくは、トムフォードのコンサルテーションを受けると同時に、こちらの香水を試させてもらった。
そうしたら、結果としてはまったく似て非なるものだった。
確かにレザーの優しい香りはするのだが、2018年バージョン(黒ラベル)の方は甘みがあるのに、2021バージョン(白ラベル)はまったく甘みが感じられないのである。たったの4年でこんなにも変わってしまうのか?と思ってしまうくらい香りが変化していた。
個人的には甘みのある方が好きなのだが、アニマリックなレザーの香りをもっと感じたい時には白ラベルの方が良いかもしれない。
アンバーの甘ったるさが気になる人や、夏場などは、辛みオンブレレザーの方がつけやすいと思う。
NOTES
Top notes:Violet Leaf, Cedar
Middle notes:Jasmine Sambac, Orris
Base notes:Leather, Woody Notes, Tobacco
これだけを見ると、確かに甘さ成分がゼロなのがわかる。2018年バージョンと比較してみると
Top note:Cardamom
Middle notes:Leather, Jasmine Sambac
Base notes:Amber, Moss, Patchouli
共通しているのがJasmine SambacとLeatherだけで、あとはまったく異なる香料だ。
だから、こんなにも違った印象を持つのだろう。
2018年バージョンは甘さが強いので秋冬向きだが、こちらは甘さ控えめ(っていうか糖分ゼロ?)なので、暑くなるこの時期から活躍してくれそうな予感がする。
My Evalution
★★★★
方向性は同じなのにアプローチの仕方がまったく違うとこんなにも印象が変わるんだと驚いた。
ところで、FRAGRANTICAによると、Ombré Leather 16なるものが2016年に発売されていて、恐らくこれが最初のOmbré Leatherになるのだろう。構成的には2021バージョンとかなり近しいので、ひょっとしたら2021バージョンはOmbré Leatherの原点回帰的な意味合いもあるのだと勝手に推察している。