第245夜 Nuit de Megeve

アロマティックな優しい香り

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DATA

Name:Nuit de Megeve(ニュイ・ドゥ・ムジェーブ)
Brand:EIGHT & BOB(エイトアンドボブ)
Lauched in 2017
Perfumer: Albert Fouquet
30ml ¥9,350

My Episode

今年に入ってから日本に再上陸したEIGHT & BOBというブランドについては昨日ご紹介した通りなのだが、実は当初はエジプトのみを買う予定でいた。
ところが、買いに行こうとしたその矢先、SNSで話題になっていたのが、コーヒーとタバコの香りというこの「ニュイ・ドゥ・ムジェーブ」という香水だった。
コーヒーもタバコもぼくの好みの香りじゃないですか!
そりゃもう、当然のことながら、確かめますよね?という気持ち満々で鼻の穴を1.5倍ほど大きくした売り場に向かった。
「エジプト」の方はもうどういう香りなのか想像ついたし、絶対にそちらを先にかいだら他の香りが飛んじゃうと思ったので、まずはこちらの「ニュイ・ドゥ・ムジェーブ」を先に試した。そして、それは大正解だった。
なぜなら…。しょぱな、ぼくはこの香りの芯をまったくとらえることができなかったから。なんだったら、実は今でもはっきりとはこの香りの正体がわかっていない。
頭の中で「コーヒーとタバコの香り」という情報がインプットされているもんだから、余計にその先入観で鼻が香りを探してしまうのだ。
だが、この香り、ぼくにとっては非常にアロマティックなんである。
え?どこがコーヒーとタバコなのよ!アルバート(調香師)出てらっしゃい!とお説教をくらわしたくなるほど。
とにかく静か。
香水というのは輪郭がくっきりとしている香りと、輪郭がぼやけた香りの二種類があると常々思っているのだが、この香りはまさに輪郭がぼやけている。
もちろん、でもだから悪い香りというわけではなく、単にぼくが物足りないだけ。
ところが、である。この香り、侮れないのが、しばらくして肌に熱せられると、クローブのスパイスが出てくるのだ。これが、たまらなく良い。もし、このピリッとした隠し味に気づかなかったら、ぼくはこの香りを選ばなかったかもしれない。
そのピリッと感とアロマティックな雰囲気が独特のウッディな雰囲気も醸し出していて、輪郭が不明確なのに複雑な香りに仕上がっている気がする。
シチュエーション的には、温泉街とか歩く時にこの香りをまとったら楽しいかもしれない。少し火照った体の上でアロマティックに、そして少しスパイシーに香る。いつか温泉に行くことがあったら纏ってみたいなぁ。

NOTES

Top notes: Grapefruit, Petitgrain, Cloves
Middle notes: Tonka Bean, Orris, Coffee
Base notes: Vetiver, Tobacco, Musk

ほんと、このタバコとコーヒーというのが今一つぼくの鼻ではとらえきれなくて、ちょっと悔しい気持ち。トム・フォードのタバコバニラとかになれている人は要注意。物足りなさを感じちゃうから。

My Evalution

★★★★
輪郭がぼんやりしているものの、だからこそまといたい、そんな日もある。この香りは動いた時に、ふっと香る香りだと思うので、自分で楽しむというよりも、周りの人たちを一瞬癒す香りなのかもしれない。