第265夜 Ithaka

軽やかな甘さに包まれたスモーキー

f:id:happyinkdays:20220330134446j:plain

 

DATA

Name:Ithaka (イタカ|終着点)
Brand:Mendittorosa(メンデットローザ)
Lauched in 2019
Perfumer: Camille Chemardin
100ml ¥35.200

My Episode

NOSE SHOPはだいたい、頻度としては月に一度ぐらいはどこかしらの店舗に遊びに行っているほどお気に入りの香水店だ。
ニッチなフレグランスを求めているなら、NOSE SHOPは外せない場所だし、ここにしかないブランドも多い。
特に都内だと新宿店と最近移転オープンした有楽町店には、ぼくの好きそうな香りがわんさかあって、行くたびについつい何かを買い求めてしまうのである。
さて、年末にその年を締めくくる香水を買い求めるのがここ数年恒例化しているのだが、去年も年末に忘年香水を求めにNOSE SHOPに行った。
その時、いくつかのブランドの香水を試したのだが、まず、夏にはぴんと来なかったメンデッドローザの「アルファ」がとても気になり、それを買うことは決定した。
そして、もう一本気になった香りがあった。それがこのイタカなのである。ウードが入っていないので、ノーマークだったのだが、何か他に面白い香りはないかなと思い、フラスコを試していったら、この香りに鼻腔が反応したのである。
甘いアンバー系の香り。アンバーの香りの特徴のひとつに、ぼくはお香のような煙ったさがあると思うのだが、この香りにもその煙たい甘さが感じられ、寒い時期にぴったりなのではという気がしたんである。
しかも、その甘さというのも、べったりとした濃厚な甘さというよりも、もう少し乾いた、軽めの甘さであることがこの香水の大きな特徴。甘いのが苦手、という人でもこれだったらいけるのでは?という気がする。
そして、もう一つぼくがこの香水をこの時買い求めるきっかけとなったのは、スタッフによる香水に関する説明だ。
この香りの日本語のタイトルは「終着点」。
NOSE SHOPのサイトの説明によると

ギリシャの詩人カヴァフィスの詩「イタカ」。長旅であることを祈れ。道中で幾重の経験を積んで、旅の終わりに賢者になる。先を急ぐな。終いにやっとその意味がわかる。各々にとってのイタカの意味が。

とある。
ぼくが夏ごろからずっと気になっていた「アルファ」はギリシャ語の最初の文字だ。そして、この「イタカ」には終着点という意味がある。このふたつを同時に購入することで、その年の香水が綺麗に収まるのではないか?そんなことをスタッフと話をしながら思ったのである。

ええ、もちろん、わかっていますとも。
そんなのはこじつけに過ぎないって。
でも、購入する口実のようなものが必要なわけだ。
どうせ買うんだったら、そういう口実があって買った方がより記憶に残るし、使うたびにその口実も含めて、買った時のことも思い出せるから。

NOTES

Top note:Bergamot
Middle notes:Incense, Magnolia
Base notes:Benzoin, Incense, Cypriol Oil or Nagarmotha, Labdanum, Virginia Cedar, Patchouli

マグノリアの甘さって結構濃厚なイメージなのだが、それが抑えられているのは、トップのベルガモットのみずみずしさのせいなのだろうか。甘い香りが好きな人にはぜひ試して欲しい。この独特のフワフワすっきりな甘さを。

My Evalution

★★★★
★が四つなのは、まだ自分の中でこの香りを消化しきれていないから。良い香りなんだけど、どんな場面で香ったら一番良いのかが明確になっていないので、とりあえず保留という意味で星4つ。