第223夜 New York Intense

甘くてジューシーなだけじゃない深い香り

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DATA

Name:New York Intense
Brand:Fragrance Du Bois
Lauched in 2020
Perfumer:  Pierre-Constantin Guéros
日本未発売

My Episode

昨日はNISHANEの日本未発売の(臭い)香水をご紹介したが、その時に一緒に注文したのが、こちらはブランドそのものが日本ではまだ紹介されていないというブランド。
調べてみたら、とにかくウード系の香水をわんさか扱っている。行ってみればMONTALEみたいな感じ。
でも、このブランドのすごいところは、アジアの有機ウードオイル生産者の協力のもとにオリジナルのウードオイルを作っているところ。とにかくその徹底ぶりがすごい。

ざっと数えただけでも、このブランドだけで20本以上のウード系香水があるので、なんだか、ちょっと怖いような楽しみなような…(笑)。そういう時、一体どうやって選べば良いのか迷ってしまうのだが、直感とFRAGRANTICAの情報を見て、いくつかをピックアップし、決めたのがこの香水だ。

決め手になったのは、ウードの他に、シナモン、クローブ、蜂蜜、バニラ、パチョリといったぼくの好きな香料が入っているらしいということ。だいたいこれらの香りが入っていたら間違いはないと思ったのだ。

そして、ぼくの予想は当たった。ただ、良い意味で裏切られもした。というのも、トップのブラックベリーやオレンジといったフルーティーな香料も非常に瑞々しく香のである。

ウード系の芯はしっかりと感じるものの、フルーティーなさっぱりとした感じもあって、そこがこの香りの魅力なのではないかと思った。

ちなみに、調香師はつい最近レビューしたオーケストラパルファムの「アンバーチェロ」やラバトリオオルファティヴォの「エクスプロウード」を作った人。いずれもこの人の独特の感性を感じられる香水だ。

 

1001perfumenights.hatenadiary.jp

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NOTES

Top notes:Blackberry, Cinnamon, Rose, Orange, Bay Leaf, Coriander
Middle notes:Cloves, Guaiac Wood, Olibanum, Honey, Vanilla, Immortelle, Orchid
Base notes:Agarwood (Oud), Myrrh, Patchouli, Vetiver, Musk, Cedar

面白いのが、単に甘いだけじゃないってこと。フルーティーな甘さはあるんだけど、それがすごく成熟された感じがするのだ。
これをどうやって言葉で表現したら良いのだろうか?とあれこれ考えてしまうのだが、何となく外国っぽいイメージといったら良いだろうか。海外の街でこういう香りとすれ違うことあるだろうな、という印象。

ぼくは、3歳から4歳にかけて、半年ずつトロントとハワイに住んだことがあるのだが、その時に無意識のうちにこういう香りをかいでいたかもしれない。

単なるフルーティーじゃなくて、一ひねりが加えられたフルーツっぽさと言えば良いだろうか。これはおそらく、コリアンダーとかクローブのようなちょっと刺激的で印象的な香りが絶妙なバランスで効いているということなのかもしれない。
ひょっとしたら甘さだけを求めている人にはそこが気になるだろう。しかし、ぼくはこういう香りが大好き。
そして、このみずみずしさは絶対に夏の湿度の高い暑い時期にも纏えるはずだから、夏になったらまたぜひ試してみたいと思う。

My Evalution

★★★★

香りというのは、どれもが絶妙なバランスの上に成り立っていると思う。どこかに偏ることなく、ちょうど良い配合で美しい香りが生まれる。この「New York Intense」はまさにそういう何とも言えない配合率から生まれた良い香りなんじゃないだろうか。