第150夜 Oud Pour Lui

深くてエロくて、癖のあるウード

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DATA

Name:OUD POUR LUI
Brand: Alyssa Ashley
Lauched in 2012
Perfumer:Luca Maffei


My Episode

この千一夜香水物語を始めてから、ぼくは今まで以上に調香師にこだわるようになった。
それまでも、もちろん、例えばジャンクロード・エレナだとか、ベルトラン・ドショフールといった好きな調香師の香水にはかなり注目してきたけれども、正直、それ以外の調香師のことはあまり知らなかった。
しかし、調香師も香水を選ぶ時にとても大切な情報だと思っているので、このブログでは必ず調香師を調べて掲載するようにしている。
その時に参照しているデータベースがFRAGRANTICAというサイトである。
このサイトは時々間違え(説明文が別の香水と入れ子になっていることがあったり、調香師が明かされているのに、記載されていなかったり)はあるものの、基本的にこのサイトは多くの香水の販売員さんたちも目を通しているようである。
このサイトで調べているとほとんどの調香師の写真が載っているので、名前がなかなか覚えられなくても、顔で覚えることが多い。特にイケメン好きのぼくは、イケメン調香師がいると、一発で覚えてしまう。
その一人がルカ様と呼んでいるLuca Maffeiである。
彼のことを初めて知ったのは、ペリス・モンテ・カルロの「ウードインペリアル」を調べた時である。

 

1001perfumenights.hatenadiary.jp

 その時に彼の写真を見て、その笑顔にすっかり魅了されてしまったのだ。
その後、イストワール・ドゥ・パルファンの「イレベレント」も彼が手掛けていることを知り、それもまたウード系の香水だったものだから、彼の手掛けるウードに非常に興味を持ち始めた。

 

1001perfumenights.hatenadiary.jp

 とはいうものの、すべての香水が日本で手に入るわけではないので、そこがもどかしいのであるが、たまに、Amazonなどで検索をかけると手に入る香水があることを知り、早速ルカ様の香水を調べてみたら、なんとあと2つ手掛けているウード系の香水が2本ともAmazonにあることを知り、注文したのである。

その一本が「OUD POUR LUI」である。

日本語に訳すと「彼のためのウード」となるのだが、早速肌に載せてみると、まぁ、これが本当に良いのだ。
甘さはほとんど感じられない。重くて深くてウッディ。
人によっては「くさい!」となるかもしれない。ただ、それが重さのためかそんなに拡散されないところがこの香りのすごさ。
癖のある香りなのに、重いのでそれほど周りの人たちにアピールする感じではない。服の下に隠れていたら、ほんのり香るだけ。
そこをどう感じるか、がこの香水の評価の分かれ目になるだろう。
時間が経つと、非常にセクシーさも出てくる。なんていうのかな、体臭に混ざることによってエロさが引き立つ感じ?
日本人にはちょっと理解されにくいかもしれないけど、でもぼくはこういう香りがたまらなく好き。

Note

Top notes: Saffron, Geranium, Sicilian Lemon

Middle notes: Olibanum, Cumin, Indian Jasmine

Base notes: Java vetiver oil, Siam Benzoin, Sandalwood, Agarwood (Oud), Atlas Cedar, Amber

トップノートのサフランやレモンはあまり感じられず、最初から重い香りが続く。深い森に迷い込んだような、不思議な感覚が生まれるのは、シダー系の香りに由来するのだろうか。

My Evalution

★★★★★

当初、この香水の評価は限りなく5に近い星4つだった。

まだこの香りの本質をつかめていないので、これから少しずつ仲良くなったり、季節がもう少し寒い時期だったりしたら評価はぐんと上がるかもしれない。(下がる可能性ももちろん、あるのだが)

と書いたのだが、時間が経ってラストノートに近づくにつれて、どんどん香りの良さがわかってくる。これは、もう星5をつけても良いのではないかと気持ちが変わったので、評価を5に引き上げた。レビューを書いている途中で評価を変えたのは実はこの香水が初めてだ。

これはAmazonでも購入できるので、気になる方はぜひ試して欲しい。なんとAmazonでは3,520円!この価格でこのレベルの香水はなかなかないと思う。