第190夜 Vanille 44 Paris

甘いだけじゃないバニラ

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DATA

Name: Vanille 44 Paris
Brand: Le Labo
Lauched in 2007
Perfumer: Alberto Morillas
100ml ¥38,500

My Episode

いつも、ウード、ウードと騒いでいるので、他の香料も好きだというと、時々驚かれることがある。
例えば花の香り。
基本的に花の香りは全体的に苦手なので、ほとんどスルーしてしまう。
特にふわふわした、フェミニンな花の香りはどうしても受け付けない。
例えば、カーネーションとか、軽めの薔薇とか。
でも、チュベローズやマグノリアといった、濃厚な花の香りは嫌いじゃない。むしろ夏の夜の蒸し暑さにこういう濃厚な花の香りはとても似合っていると思っている。
同じように、甘い香りも結構イケるというと、驚かれることがある。
それも、やっぱりフェミニンな甘さはNGだけど、陰のある甘さは大好物。
香料でいうと、ヴァニラなんかは結構好きだ。
今までにもこの千一夜香水物語でもヴァニラメインの香りをいくつかご紹介してきた。

 

1001perfumenights.hatenadiary.jp

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いずれも、かなり濃厚なヴァニラを楽しめる香り。

そして、今日ご紹介する「Vanille 44 Paris」もまた違った意味で魅力的なヴァニラの香りだ。
昨年、この香りを購入するかどうするか悩んで、結局別の香りを選んでしまったのだが、今年はこの香りは第一候補だった。
しかし、香りの好みが変わってしまうこともあるので、念のためにディスカバリーセットで2mlで試してみた。
まだまだ夏の暑い時期ではあったけど、肌に載せた瞬間、これは50mlでお迎えしようと決意した。

ヴァニラなのに、儚いんである。
濃厚なむせかえるようなヴァニラというよりも、どこか影があって、寂しげなヴァニラという印象。
なるほど、こういうヴァニラもあるのね、と感心してしまうほど今までぼくが試してきたヴァニラとは違う。
さすがモリヤスさん!
ヴァニラというのは、香りそのものが濃厚なので、前面に出てきがちで、この香水もヴァニラが主役なのはわかる。しかし、主役なのに、自己主張していないから、他の香りの面影を感じるのである。
とても複雑。

シティエクスクルーシブの中でも人気の香りというのもわかる。
ぼくはどうしてもこの香りは手に入れたいと思ったので、事前に店舗を再び訪れ、50mlを予約してしまったほど。

この儚いヴァニラは夏と冬では香り立ちが少し異なるような気がするので、これからの季節に纏うのがとても楽しみである。

Notes

Vanilla, Guaiac Wood, Incense, Mandarin Orange, Aldehydes, Bergamot

肌に載せた瞬間クリーミーに感じるのは、ルラボのフレグランスに共通する特徴なのだが、そのクリーミーさを作り出しているのがGuaiac Woodだろう。ヴァニラとの相性も良くて、そこにインセンスなどの香りが見事に調和している。

My Evalution

★★★★★
数多あるヴァニラの香水の中では、かなりおとなしめだと思う。でもそのおとなしめなところがぼくにとってはとても新鮮で、これからじっくりとこの香りと向き合いたいという気になる。